むくみの解消には
仰向けで足を心臓より高くする

 むくみは早めに解消すること。その手段として足をよくマッサージする、下肢を挙上するのがお勧めだ。「下肢を挙上する」とは、あおむけ寝になってクッションや台などを足の下に置き、足を心臓より少し高い位置に保つこと。こうすることで重力によって下肢の静脈血が心臓に戻る。

 また立ちっぱなし、座りっぱなしでふくらはぎの筋肉が全く働かないような環境でむくみやすくなるため、できれば30分に1回は足を動かそう。座りっぱなしの作業が続いたら時々立ち上がるか、座ったまま「かかとの上げ下げ」を行って血流を促したい。

 それでも症状が続く場合は、弾性ストッキングなどの圧迫療法が有効という。「サイズや圧の強さは、できれば医療機関で相談してほしい」と菊池医師。

二つ目の異変は「足の色」
動脈硬化で「ひび割れ・指の色が変化」

 さて足に現れる二つ目の危ない症状は「足の色」だ。全身の動脈硬化が進むと、“足に異変”が現れる。

「動脈硬化とは、文字通り動脈と呼ばれる血管が硬くなったり内腔が狭くなる病気で、進行すると血流が悪くなり、虚血を引き起こす状態です。そのサインとして、足の指、基節骨の辺りに毛が全く生えていない、また足が非常にカサカサしたり、ひび割れたりしている、そして足の指の色が悪いなどが挙げられます。足の指の色が妙に赤い、白い、青いなどは健康な状態とはいえません」

踵がカサカサしている(1)踵(かかと)がひび割れている状態 写真提供:下北沢病院
踵がカサカサしている(2)踵(かかと)がカサカサしている状態 写真提供:下北沢病院
動脈硬化(虚血)動脈硬化により虚血(血流が悪化)になった足 写真提供:下北沢病院
動脈硬化(虚血)動脈硬化により虚血(血流が悪化)になった足 写真提供:下北沢病院

 ちなみに取材後、自分の足をまじまじと見てみたが、私は足の指に毛が全く生えていない(剃ったことは一度もない)。健康診断での数値はすべて問題ないので、加齢による老化以上に動脈硬化があるとは考えにくいが、ただ冬は足の指が冷たくなりやすいことに悩んでいた。