最初は無症状だが
傷み・しびれ、足の指が黒くなる
菊池医師は「虚血の人は、足を保温したり、靴下を履(は)いたりして冷やさないことが大切」と話す。適度な運動習慣によって足の血流を促すような生活を心がけたい。
足の動脈硬化が進むと、なんと最悪の状態では足の切断になりかねないという。動脈硬化が進むと血管内側が傷つき、血栓ができて血流が途絶え、上半身であれば脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞(こうそく)を起こす恐れがある。
同じように足も、足に必要な栄養や酸素が送り届けられなくなる「閉塞(へいそく)性動脈硬化症」を発症することがあるからだ。通称、「足の心筋梗塞(こうそく)」といわれる。
「最初は無症状ですが、だんだん歩行中に足が重だるくなったり、痛みやしびれが生じたりします。休息するとまた歩けるようになるのですが、しばらく歩くとまただるくなる。間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言って、動脈硬化によって足の血流が低下している初期症状です」
「やがて安静にしていても足が痛むようになり、さらに放置すると足の指が黒くなって壊疽(えそ)してしまいます。足が黒くなる状態まで進行すると元に戻りません。初期症状である長く歩くと足がだるくなる、間欠性跛行の症状が出た時点で足の動脈硬化を疑ってください」
通常、足の動脈硬化はだんだんと進行するのだが、まれに初期症状から血栓が詰まって一気に足が壊疽することもあるというから恐ろしい。動脈硬化のリスクを持つ人(高血圧症、脂質異常症、高血糖がある人、喫煙者)は要注意だ。
三つ目の異変は
「知らないうちにできた足の傷」
とりわけ「糖尿病」を患う人は、足に問題が起きる可能性が高いため、毎日足をチェックしたほうがいい。そこで足に現れる三つ目の危ない症状は「知らないうちにできた足の傷」だ。
「糖尿病の人は足の感覚がなくなり、足の痛みなどを感じにくい神経障害を合併する可能性が高いのです」と、菊池医師が指摘する。
「いつの間にか足に傷ができていて、しかもそれに気づかず、傷が大きく、深くなる恐れがあります。糖尿病の人は血行不良も合併していることがあるので、ほんの小さな切り傷でも感染が広がって重症化することがあり、深刻な事態になりかねません」







