米国「K字型経済」の成長は持続できるのか、鍵はAIブームのステージ変化とFRB金融政策Photo:Spencer Platt/gettyimages

成長率などハードデータは急回復
企業や家計のセンチメントは弱い

 史上最長の43日間となった米国の政府閉鎖がようやく終わり、止まっていた経済指標の発表が徐々に始まっている。経済ウオッチャーとしては助かる話だが、とりわけいつも以上に指標の公表が待たれていたのは、指標発表が止まる以前に見えていた米国経済の姿が異様だったからだ。

 トランプ関税の混乱や影響が懸念されていたが、(1)成長率をはじめとするハードデータは一時の落ち込みの後、急反発を見せている一方で、(2)企業、家計についてのセンチメント系のいわゆるソフトデータの動きは鈍く、ハードデータの強さとは整合的に見えず、(3)さらにハードデータの中で、ほぼ唯一雇用関連統計は、今年に入って月を追うごとに弱まってきている―という状態だ。

 つまり足元の米国経済は、AI関連を含む設備投資の盛り上がりや株価上昇に刺激された高所得者層の消費拡大、という循環と、関税による価格上昇に悩む中小企業や中低所得者層の支出活動停滞、という二つの循環が共存していると考えるのが妥当と思われる。

「二極化」あるいは「K字型」というわけだ。

 こうした成長の形には、持続性があるのだろうか。