総予測2026Photo by Shintaro Iguchi

産業用ロボットや工作機械に用いるサーボモーターの世界大手、安川電機は自動車産業や半導体産業の設備投資の最新情勢を知る立場にある。米国の関税政策は2026年の設備投資にどんな影響をもたらすのか。さらに、同社は「フィジカルAI」分野で米エヌビディアと富士通と協業する。人型ロボット開発ブームが再燃する中で、安川電機の本気度は?特集『総予測2026』の本稿では、小川昌寛社長に展望を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)

関税強化で投資はいったん停滞
思ったほど影響は大きくない

――2025年の振り返りと26年の展望を教えてください。

 24年まで、半導体を含めてわれわれが重点化している領域で受注動向は好ましくありませんでした。AI(人工知能)向け半導体を中心に(設備投資の)動きが出てきたところは(受注することで)キャッチアップできたと思います。

 自動車産業ではここ数年、電気自動車(EV)の陰りといいますか、EV一辺倒ではなくなってきました。中国の動向も含めて産業全体の戦略の変化が大きく、(様子見ムードもあり、案件が)「投資実行」までスムーズに移行しない時期がありました。それに加えて(25年はトランプ)関税が入り込んで投資が遅れたものの、少しずつ「動きの取れる状況」が見て取れるようになってきました。26年、27年は成長を期待したいです。

 地域的には、中国では受注が右肩上がりになっています。欧州でも少し前向きな動きが見えてきました。26年は爆発的な成長は見込めませんが、今年よりもいい方向に動くとは思います。

――今後の関税強化の影響をどう見ていますか。

 われわれはBtoBなので、投資が事業ポテンシャルになります。関税の影響で投資が、いったん停滞することになります。ただ、ブレーキは踏んだけど完全に止まったわけではありません。思ったほど影響は大きくなかったと思います。

――中国の競合の成長をどう見ていますか。

 深圳市匯川技術(イノバンス・テクノロジー)がわれわれと同じような構図のポートフォリオを持っているし、一番ベンチマークするべき相手だと思っています。本当に立派なグローバル企業として成長していると思います。

次ページでは、今後の産業用ロボット市場や製造業にとって極めて重要となるフィジカルAI領域の展望について小川社長に聞いた。安川電機は人型ロボットの開発に本気だ。