山頂付近に残る山門跡や鐘楼
奈良時代に掘られた井戸も
山頂にはかつてそこに存在した帝釈山霊山寺の名残がいくつか残されている。山門跡や鐘楼もしくは観音堂の痕跡と目される遺構が随所に案内板で示されていて、それらがどれも平安時代後期のものと想像すると、なんとも言えないロマンをかき立てられる。
さらに平安時代から遡った奈良時代に、秦氏が掘ったという井戸も山頂付近に残っている。
秦氏といえば大陸からの渡来人で、秦の始皇帝の末裔であるとも、イスラエルからやってきた異邦人であるとも言われる謎多き一族だ。彼らが熊山遺跡の建造に携わっているのだとしたら興味深い。
これはさほど無理のない想像で、高い建築技術を持っていたとされる彼らのサポートは鑑真和上にとって、帝釈山霊山寺を開く上で欠かせないものだったのではないだろうか。
熊山山頂には、鐘楼か観音堂の跡と言われる遺構が
山頂付近に残る、秦氏が掘ったという井戸の痕跡







