結果が思うように出なくても
知識や経験は確実に成果になる

 渋谷さんは、就職試験やアルバイトの面接では一度も落ちたことがない。「受からないはずはない」という意気込みで臨むからだ。

「もし落ちたとしても『私を必要としてくれる運命の場所は必ずある』と考える」

 努力した結果が思うように出ないときも「数カ月前の自分と比較すれば、必ず成長している。例えば資格試験などを目指していて、合格という結果が出なくても、勉強を始めてから得られた知識や経験は確実に成果なのです」と渋谷さんは言う。

 最初から完璧を目指すのではなく、一歩一歩確実に進歩していることを自覚することが大事なのだ。

 障がい者支援や社会のあり方についても疑問や提言を発信している渋谷さんは、異なる立場の人を理解するために必要な心構えについてこう語る。

「私はそもそも、自分自身も含め、あらゆる人は『一般的』ではないと考えています。自分の考えが一般的だと思い込んでしまうと、意見が違う人を『一般的でない』と切り捨ててしまうことになる。自分と同じ考えの人なんて一人もいないと思っていれば、相手の感想や考え方から新しい発見を得ることができます」

*後編は12月12日公開です。お楽しみに!