旅行で出会った人たちとの触れ合いの中で
故郷や「茅葺き職人」の価値を再発見
地元の中小企業に勤務しながら、InstagramなどのSNSで同年代の投稿を見て「キラキラした世界」に憧れ、最初は単純な「うらやましさ」から、海外旅行や国内一人旅を始めた。
旅先で地元について話したり、父が手掛ける茅葺き建築の写真を見せたりする中で、「すごいですね」と言われることが増え、それまで当たり前だと思っていた故郷や、茅葺き職人という仕事の価値を再発見した。
居心地のいい空間から飛び出すことは勇気が必要だが、その一歩は、「自慢したい」「承認欲求を満たしたい」といった必ずしも格好よくない動機でもいいと渋谷さんは言う。
「一歩外に出てみると外から自分を見つめ直すことができ、自分が大切にしたいものや、やりたいことが見つかりやすいのではないでしょうか」
しぶや・まこ/1991年生まれ。山形県鶴岡市出身。茅葺き職人を目指しながら、猟師としても活動していた2018年7月、仕事中に茅葺き屋根から落下し、脊髄損傷による障がいを負い、車いすの生活に。性や排せつについても包み隠さず自身のYouTubeで発信している。車いす生活でも自分らしく生きる姿を届ける。 写真提供/本人






