(2)承認欲求が強い
認められたい気持ちが強いと、現実より“少し盛った自分”でいたくなる、ということも指摘できるでしょう。
ただ、「認められたい」という気持ち自体が悪いわけではありません。わたし自身は、「わたしなんか……」とあえてマイナスに見せてしまうよりも、その後の努力で「盛った自分に近づける」ことができたら、むしろプラスになると思っています。
(3)失敗を恐れている
失敗を「存在の否定」と結びつけるタイプほど、できない自分を受け入れられません。だから、自分は正しいと思うことで自分を保とうとするのです。
「失敗をしても自分は損なわれない。それはただの出来事であるから、リカバリーできる」と思えないのです。
(4)“できない自分”を直視するのが恥ずかしい
これは子どもの頃の経験に由来することが多いといわれます。
「できた=褒められる」
「できない=叱られる」
これが刷り込まれていると、できない自分が“恥ずかしい存在”だと感じてしまいます。
こうした心理を持つ人ほど、現実を直視することが苦痛であり、理想の自分像を守るために「できている」と信じ込みます。結果として、他者から見た評価と本人の認識に乖離が生じるのです。
というわけで、Sさんの同僚の発言の裏にはこうした心理があると考えられますが、これを説明したところで彼がすぐに変化してくれるわけではありません。
ただ、なぜそうなってしまうのか、その理由を知っておくことで、たとえマウントを取られたとしても、自分の心の平穏を保てるのです。
感情的に受け止めずに、客観的に理解できるからです。
わたしはいつもマウントを取られると、「実は自信がないのでは?」「盛らないと理想が遠のくのかな?」など、少し引いた視点で見ています。
心の中で、マウントをし返している感じですが、途端にわたしのいらつきは小さくなるのです。







