藤田 Netflixのラインナップに並ぶとなると世界中で作られた高いレベルの作品と比較され、世界ランキングに晒されるので必死にならざるを得ません。世界ランキング上位に入るような作品を作らなければいけない、それ以下のものは出せないと皆が思うようになるんです。

「クリエイティブで勝負する」と掲げて10年以上が経ちますが、その考え方は社内でもかなり浸透していると感じています。

サイバーエージェント藤田晋会長Photo by Shogo Murakami

課長止まりの人と
役員までいく人の違いは?

――部下のモチベーションを高める仕組みを作ることはリーダーに必要な能力ですね。リーダーでも課長止まりの人と、役員までいく人がいます。何が違うのでしょうか。

藤田 難しい質問ですが、上の人から見て「話が合う」と思われる人はイコール視点が高いということなので、そういう人は出世をしていくと思います。役員や社長の視点で話せるというのは経営者視点があるということです。

 当社では二代目社長を育成するために社長研修を実施していましたが、経営者視点を持った人を増やすことにも大きく寄与しました。社長や役員から見て、同じ視点で話せるようになると、上の人も「この人は上にいくべき人物だ」と評価するようになるのではないでしょうか。

――目の前の仕事の話ばかりするのではなくて、視点を高く持つということですか。

藤田 もちろん今取り組んでいる仕事で結果を出していれば評価は上がりますが、それとは別に、目の前の仕事をしながらも役員クラスの視点で話ができる人は、一目置かれると思います。これは当社に限った話ではないでしょう。

 役員会で話されるような、業界構造や動向、ニュースをもとにした将来的な見立てなどについて自分なりの意見を持っていると、自ずと周囲との差は開いてきます。そのためには日々のニュースに目を通したり、本を読んで勉強したりする努力は必要でしょう。