リードタイムを短縮する
シンプルで画期的な方法

「大ロットがリードタイムを伸ばす元凶。『作れば売れる』時代の前提ならまだしも、変化の激しい現在の市場では『売れて何ぼ』が前提。いくら効率よく、安く作れたといっても、売れなければ会社を貧乏にしているだけ」

 トヨタ自動車の技術職最高位の技監を11年間務め、『トヨタ生産方式』の著者大野耐一氏に直接薫陶を受けた林南八氏の言葉だ。大ロットはリードタイムを長くする要因になり、逆に儲けることを妨げる障害となっているのが現実なのだ。

 では具体的にどうやって、リードタイムを短縮すればいいのか。例えば100個のロットで生産すると、各工程で100個完成するまで次の工程には回らない。でも、ロットサイズを半分にして50個にしたら、半分の加工時間で次の工程に進む。それをさらに半分にしたら、元の4分の1の時間で次の工程に進むことになる。つまりロットサイズを小さくすればするほど滞留時間が減り、リードタイムが短くなるのだ。

『ザ・ゴール』では、ロットサイズを小さくすることにより、滞留時間を減らし、リードタイムを短縮し、顧客に優れたサービスを提供し感謝されているが、変化の激しい時代において、リードタイムは競争力の武器ともなるのだ。

 リードタイム短縮の財務効果は大きい。リードタイムが8週間かかるなら、その分、在庫を持っておかなければならない。しかも、あてにならない8週間後の予想に基づく在庫を持つことになるので、過剰在庫や欠品が発生することは避けられない。それが半分の4週間ならば、在庫も4週間分だけ持てばいいので、リスクは少なくなる。

 さらにその半分の2週間ならば、在庫は2週間分になるので、さらにリスクは少なくなる。さらにリードタイムが1週間になれば、在庫は1週間分となり、キャッシュフローが劇的に改善され、儲ける足腰が強くなることになる。

リードタイムが短くなれば
「儲けるスピード」も上がる

「予想を100%当てる方法がある?競馬の馬券だって100%当てることが可能だ。教えてほしいか?」

 世界の工場を変えたと言われる『トヨタ生産方式』の著者大野耐一氏が出したクイズである。答えは以下のようなものだった。

「ゴールしてから馬券を買えばいい(笑)。それは無理だけど、ゴール寸前まで引き寄せて買ったらどうだ?それがリードタイムを短くする本質だ」