カロリーが高いものは朝や昼に、
塩分高めの品は夕食に食べるとよい理由
「大きくはカロリーの高い品は朝や昼に、塩分高めの品は夕食に食べるといいでしょう」(柴田氏)
なぜなら午後4~午後8時はアルドステロンという塩分を体に蓄えるホルモン分泌が低下するため、多少多めに塩分を取っても体外に排出されやすいからだ。
管理栄養士の望月理恵子氏が「おせち」について、日中と夜の具体的なメニューを提案してくれた。
「基本的に『栗きんとん』や『だて巻き』『黒豆』のような甘いものは高カロリーなので、朝や昼に取るといいでしょう」
「消化に重要な役割を果たす胃や、脂肪分解に関わる肝臓は午前中から昼が最も働きますから、このタイミングで高カロリー食を摂取すれば身になりにくいのです。またその甘さ、つまり含まれる糖質は日中のエネルギー源に役立ちます。一方で夜は塩分高めの『数の子』や『魚の塩焼き』などがお勧めです」
朝は糖質に加えてタンパク質を摂取すると、体内時計ががつんと動き、筋肉量維持にもつながる。その観点からも、(両方を含む)「だて巻き」、そして「かまぼこ」は朝がいい。日中は甘いもの、夕食はしょっぱいものを食べていいと考えれば覚えやすいだろう。
「便秘改善」「骨の強化」に
効く一品は?
続けて柴田氏が目的別のおせち摂取について述べる。
「便秘気味な人は、朝に『たたきごぼう』を。ごぼうのように、朝に水溶性食物繊維が豊富な野菜を摂取した人は、昼と夜の血糖値が上がりにくい上に、便通が改善することが私たちの研究で分かっています。何となく夜の方が良さそうでしょう。でも水溶性食物繊維は違うのです。朝がいい。24時間後の次の日の朝に効くということです」
ちなみに夕食に「たたきごぼう」を食べることも、夜にかけて高くなりやすい血糖値上昇を抑制する目的で良いという。
「骨を強化したいなら、『田作り』(カタクチイワシを原料とする干物)を夕食に。カルシウムの吸収は夕方から高まるという論文が複数あります。また水溶性食物繊維はカルシウム吸収を促進することが確認されています。ですから『田作り』に加えて、水溶性食物繊維を含む『たたきごぼう』を一緒に食べればより骨が強化されます」(柴田氏)
カルシウム吸収は夕方から高まるが、鉄の吸収率は朝の方が良いそうだ。そのため貧血気味な人は、鉄が豊富な「昆布」系のおせちを朝食でいただこう(昆布は水溶性食物繊維が豊富なため、便秘改善にも朝が良い)。







