3社は現状、“弱者連合”だ

 翻って経営難の日産。エスピノーサ社長下で反転攻勢中だが、販売回復への道のりは険しいと言わざるを得ないだろう。世界販売台数はカルロス・ゴーンCEO時代に600万台に迫った18年3月期をピークに、25年3月期には約330万台に半減している。

 26年3月期中間期の世界販売は148万台で、前年同期比7.3%減。日本市場に限ると16.5%減で従来予想を下回った。今や国内販売台数(メーカー別)で5位に転落している。

 ただし実はホンダも、国内は軽自動車のN-BOX頼み。乗用車と併せた全体では4位の座にとどまる。26年3月期の目標は下方修正し334万台。なお、日産の同目標は325万台。ホンダ、日産ともに米国と中国市場への依存度が高いことが災いしている。

 また、三菱自動車は26年3月期中間期で92億円の最終赤字に転落した。現在、日産からの出資比率は26.67%に下がっているものの未だ筆頭株主である。

トヨタ連合との差は開くばかり

 日産と三菱自が赤字、ホンダは大幅減益の中で四輪事業が赤字。この3社は言ってしまえば現状、“弱者連合”としか見えない。3社の世界生産・販売台数を合計すると750万台ほどだ。

 自動車業界は1990年代末に「400万台クラブ」が淘汰の条件とされたが、今では「1000万台クラブ」が規模の経済性、生き残りの要件となっている。電動化、自動運転、SDV(Software Defined Vehicle)時代に、ますます欠かせない要素だ。その意味でもトヨタ連合は、トヨタ単体だけで1000万台を確保し、さらにグループ各社が上乗せする強みがある。

 果たして、ホンダと日産がヨリを戻し、三菱自動車がこの連合に乗るのか。いずれにしても3社とも正念場。大きな岐路を迎えていることは確かである。

トヨタとの差は“絶望的”…ホンダ・日産・三菱自の弱者連合では届かない「1000万台クラブ」の壁