終わりが明示されている「買い切り型」推し活
だから今年10月、パフォーマーとしてだけでなく、音楽作家、音楽プロデューサーとしても非常に多忙な清竜人が「ちょっち働きすぎて疲れちゃったんで! 活動休止して暫く遊び呆けます!」「みんなごめんね! 嫁達も本当ごめんね! バイバイ!!! また会う日まで!!!」と、唐突に活動休止を発表したときも、ファンは「(来るとは知っていたけれど)とうとう来たか?」「竜人くんもずっと頑張っていたから、ゆっくり休んでほしい」と誰ひとり怒らなかった。優しい世界なのである。
10月5日、突然X(旧Twitter)の清竜人アカウントで発表された、清竜人25の活動終了と本人の活動休止。12月21日のライブがラストライブになることはこのとき決まった(清竜人Xアカウントより)
初めから期間限定の活動であることが予測され、本人から「僕が飽きるまで」と予告もされていた、"天才のお祭り"。清竜人「25」という数字を見て、「もし来年の2026年になったらどう整合性をつけるのだろう」と心配している人もいたくらいだから、2025年末のラストライブ&活動休止は潔いと言えるのかもしれない。
それまでの人生でアイドルにハマったことなどなかった私自身が、突如この清竜人25を追いかけ始め、ライブに通い、人生初のペンライトを振る羽目になったのは、そのコンセプトの総体的なクレバーさに感動したのがきっかけだった。
初めて『THE FIRST TAKE』で目撃したときは爆笑した
今でこそこんなにハマっている私だが、昨年10月中旬に初めて清竜人25を見たときの衝撃はよく覚えている。『Will you marry me?』と題された楽曲の「THE FIRST TAKE」動画がバズっているのを見た私は、そこに映された世界観に爆笑したのだ。
一部の隙もない美形アイドル女子4人が、白いウェディング風ドレスと花飾りに身を包み、マイクの前に並び立つ。「りゅーじーんくーん(はぁと)」と呼ばれて登場するのは、アフロヘア+ヒゲの年齢不詳なニヤけたおじさん(!)。
ところがこのおじさん、マイクを持ってセンターに立ったかと思うと、ハスキーな驚愕のイケボで歌い始めた。美形アイドル女子たちと「そんなくだらない恋愛はやめて僕のところにおいでよ」「後悔はさせないよ」「どうしてそんなに優しいの?」「もしかして私たち運命かも」等々、全員でキャッキャウフフと愛の言葉を囁き合うのである。
この動画を見る前、既に7月の時点で、知人が「結婚式」と題された再結成ライブに行ったという話は聞いていたのだが、当時何も理解できていない私は「それの何が面白いんですか……」と呆れるだけだった。けれど自らの目で、ただ「竜人くん」と「夫人たち」がひたすら愛し愛されるハーレム的な多幸感あふれる世界をYouTubeで目撃した私は、「そういうことだったのか」と合点がいった。







