そこで潔く諦めて、別の道に進む人もいれば、夢を捨てられずに、諦めきれない人がいます。このとき、後者が拠りどころにするのが「努力すれば、夢は必ず叶う」――という言葉です。
プロ野球選手になれるのは
500人に1人しかいない
僕の知り合いに、東京藝術大学の受験に何度も失敗し、30代を迎えた人がいます。「絵を描く仕事に就く」という夢を持ち、「そのためには藝大に入らなくては」と思い込み、アルバイトをしながら歳を重ねているのです。
「藝大に行くだけが道ではないし、合格して卒業したとしても、絵を描く仕事に就けるとは限らない」と周りの人に言われても、「諦めなければ、夢は必ず叶う」と信じて、聞く耳を持ちません。
僕はそんな人に「夢は9割叶わない」と言いたいのです。
「いくら努力を重ねても、なかなか叶わないのが夢であって、少なくとも9割の人は夢を諦めている。だから、夢を諦めるのは、辛くも恥ずかしくもない。心の底で無理だと悟っているのなら、今すぐにでも目標を変えたほうがいい」
プロ野球選手を例にしましょう。高校・大学の硬式野球部に所属している卒業生は5万~6万人、ドラフト会議で指名されるのは毎年100~120人程度です。
全員がプロ志望ではありませんが、高校・大学の野球部員がプロ野球選手になる確率はおよそ5万分の100、つまり500人に1人程度となります。夢を叶えた1人の選手の陰に、叶えられなかった499人がいるのです。
僕自身の話をします。
“気がついたときには絵を描いていた”というくらい、幼い頃から絵を描くのが好きでした。そんな様子を見ていた母は、幼稚園に入るか入らないかの時点で、どこからか先生を探してきて、僕に絵を習わせ始めました。生まれ育った山口県岩国で、あの年齢から絵を学んでいたのは、僕だけだったかもしれません。
漫画家→小説家→新聞記者
夢が変わって早稲田を受験
小学5年生のとき、手塚治虫先生の『地球大戦』という漫画に出会いました。夏休みの丸々1カ月間、どこへも出かけずに部屋に閉じこもり、模写をしていたほど夢中になりました。すると自然に、習っていた油絵にも漫画の影響が出てきます。







