資材高と人手不足が
小・零細規模企業を直撃

 2025年の建設業倒産2014件のうち、業種別では職別工事業が814件と最も多く、増加率も前年比10.5%増と最大だった。

 職別工事業は、塗装工事や左官、内装工事など、特定の専門的な工事を手掛ける業種を指す。ゼネコンなどの総合工事業者から工事の一部を請け負う下請け(サブコン)、そして孫請けで動くことが多く、小・零細規模の経営が大半だ。実際、建設業の従業員別の倒産は従業員10人未満が1842件と全体の9割以上を占めた。

 こうした業者は下請け、孫請け色が濃く、価格転嫁が容易でない。年々高騰する資材価格や慢性的な人手不足でコストは増加の一途をたどっている。

 原因別では資材価格高騰などの「物価高」に起因する倒産は151件、「人手不足」倒産は192件と、それぞれ過去最多を更新した。仕事(受注)は豊富でもコスト倒れが続き、いずれ資金繰りが持たなくなる。経営体力の乏しい小・零細企業ほど対応は難しく、そのしわ寄せが倒産となって表面化している。

大阪と東京で発生した
2件の大型倒産が広げた波紋

 2025年の建設業は小規模倒産が増勢を強めた1年だったが、年後半にかけて大阪と東京で発生した2件の大型倒産が波紋を広げた。

 10月、関西を地盤に全国で工事を手掛ける中川企画建設(株)(大阪市中央区)が会社更生法の適用を申請した。負債総額は222億円にのぼり、建設業では年間最大の大型倒産となった。

 同社は1960年代に鉄工所としてスタートし、その後、建設・土木工事に事業を拡大した。2004年には下請け主体から脱却し、工事の企画や提案をすべく社名を中川企画建設に変更した。2010年代には全国で建設ラッシュを迎えたメガソーラー施設の設計施工に進出したことでさらに業容を拡大した。

 ここ数年は250億円を超える年完工高をあげ、最終黒字も確保し、はた目には経営は順調に映っていた。ところが、稼ぎ頭のメガソーラー案件の一部で生じた施工トラブルを発端に回収遅延が発生し、資金繰りが急速に悪化した。