楔形文字で書く時も同じように「発音+限定符」という組み合わせになるが、楔形文字の場合は限定符は単語の前である。どちらかというとヒエログリフの方が漢字の造字法に近く、限定符を多用する。楔形文字はより表音文字的で、限定符を使用しない単語も多い。
古代エジプト語でも
勉強法は変わらない
古代語や古代文字の勉強も、小学校の国語の勉強と同じである。文字が読み書きできるようになるためにはとにかく書いて覚えるしかない。横着して読むだけで済ませようとすると、これまた漢字と同じで「読めるけど書けない」という事態が頻発する。
1文字1文字に分けて練習するよりは、単語単位で練習した方が良い。日本人の漢字学習の場合には「馬馬馬馬馬馬馬馬」などと同じ漢字を繰り返し練習することも多いが、それは既に母語として「馬」という漢字を含む単語をたくさん知っているからだ。
外国語として古代エジプト語やアッカド語、ヒッタイト語などを一から勉強する場合には、「馬」という文字と同時に、その文字を使う「馬車」「馬脚」「駿馬」「早馬」といった単語も覚えた方が効率的である。
『古代文字を解読していたら、研究に取り憑かれた話』(大城道則、青木真兵、大山祐亮、ポプラ社)
古代エジプト語の場合、英語や漢文などと勉強法の勝手はあまり変わらない。漢文の句法や英語の文型を勉強するのと同じような意識で十分太刀打ちできる。ギリシア語やラテン語のように複雑な活用に苦戦するタイプの言語ではない。少なくともヒエログリフの綴りからうかがい知れる範囲では。文字のハードルさえ越えてしまえば、そこまで複雑な言語というわけではない。古代エジプト語も本質的には普通の言語である。
ところで、ヒエログリフのWという文字、とてもかわいいので気に入っている。私は生き物ではアヒルが好きで、ピヨピヨしているひなも、大きくなったのも好きだ。
以前ポーランドに行った時に、とある庭園で孔雀とアヒルがいるのを見かけた。他の観光客は全員孔雀の方に群がっていたのだが、私は孔雀には目もくれず、ずっとしゃがみこんでアヒルを眺めていた……ということを、妻に言われて初めて自覚した。アヒルの方がかわいいんだから、良いじゃないか。







