それは、「称賛」と「改善の指摘」の比率を5:1に保つというものです。
フローラ氏によれば、この「5:1の法則」は、人の成長や人間関係の維持に重要な役割を果たす法則であるといいます。
たとえば、その根拠の1つである家庭における子育てに関する研究では、子どもの知的発達と親のコミュニケーションの関係について、長期的な追跡調査が実施されています。その結果、「称賛」と「改善の指摘」の比率が5:1に近い場合、子どもの語彙の習得や認知的な発達が最も促進されることが明らかになりました。
これは、称賛が多ければ多いほど良いという単純な話ではないことを示唆しています。フローラ氏は、改善点がまったく指摘されない関係もまた、現実から目を背けさせ、本人の成長機会を奪ってしまう危険性があると言及しています。
肯定的な関係性を維持しつつ、成長に必要な軌道修正も可能にする。重要なのは、この両者のバランスです。
普段のポジテイブな言葉があるから
相手に聞く耳を持ってもらえる
また、フローラ氏は2000組以上のパートナー関係を分析した研究も紹介しています。それによると、普段の交流において、称賛などのポジティブな交流が改善の指摘などネガティブな交流の5倍以上ある関係性は、長期的に安定していることが示されました。
興味深いのは、こうした普段の関係性の質が、困難な状況におけるコミュニケーションに影響を与える点です。安定した関係性のカップルは、意見が対立するような問題解決の場面でも、5:1というポジティブな交流の比率を維持できていました。
一方、不安定な関係性のカップルは、こうした問題解決の場面でその比率が0.8:1と、ネガティブな交流がポジティブな交流を上回ってしまいます。
このことは、日頃から称賛を積み重ね、ポジティブな関係性を築いておくことが、困難な状況を乗り越える上での基礎となることを示唆しています。
これまでの研究が示唆するのは、日頃から5回の称賛が積み重ねられていれば、たまにある1回の改善の指摘も、相手が建設的に受け止めやすくなるということです。






