というのも、このとき、さらに重要なことに気づいたからです。それはお客さんのさりげない一言でした。「後ろに安藤さんがいるから、何かあってもなんとかしてくれると思っていました」。
プレイヤーとしての「仕事が早い、できる、10分で返信する」という信頼から、マネージャーとしての「困ったことがあっても最終的になんとかしてくれる」という全人格的な安心感を与える存在へ。お客様にとっての私の役割が変わり、より深い信頼を得られた瞬間でした。
Manageという動詞は、「管理する」という意味もありますが、「なんとかする」という意味もあります。常に部下の行動を見て監視することがマネジメントではありません。監視していると、結局二人で同じ仕事をしていることになります。
これでは、マネージャーは違う仕事にチャレンジできず、より大きな成果を生み出すこともできません。最後は「なんとかする」という覚悟を持って、信じて任せることこそがマネージすることの本質なのです。
いわば、監視からコーチングへ。マネジメントスタイルの転換点でした。コーチは、部下が独自の答えを持っているという前提に立ち、「こうしなさい」ではなく、部下が自分なりの答えを出すために、部下には見えていない視点を提供します。
そして、コーチングスタイルなら、自分のやり方を完全にコピーさせるような指導よりも、必要最小限のコミュニケーションで、求める成果水準を上げてもらうことができます。マネジメントコストも大幅に下がります。
結果として、私はより多くのメンバーを見られるようになり、また余った時間をより重要な戦略的な仕事に振り向けることができるようになったのです。
部下に任せるより自分がやった方が早い――。この考えは、短期的には正しいかもしれません。しかし、中長期的に見れば、それはチームの成長を止め、自分自身の成長も止めてしまう選択です。今日から、あなたも「任せる勇気」を持ってみましょう。きっと、想像以上の成果が待っているはずです。








