でも、ならんだ名前がいずれも日本冒険史を彩るビッグネームばかりなので、どうしても43歳という年齢に何か運命的なものを感じずにいられないのも事実だ。
経験と肉体の落差が
“43歳の落とし穴”を作り出す
やがて私は、冒険者が43歳で遭難しやすいのは、大きくなる経験と衰えゆく肉体のギャップがこの年齢で露呈するから、と考えるようになった。
同書より転載
上図のように、経験線と肉体線がクロスするのはおそらく40前後。この40以降に見られる経験と肉体の落差が“43歳の落とし穴”という魔の領域を作り出すのである。
ただ43歳頃まで肉体の衰えはそれほど顕著ではないため、大きくなる経験値に肉体は十分に対応できる。スケールアップする計画と肉体がうまくかみあった43歳こそ人生の頂点をなす。このとき、人は人生でもっとも大きな仕事をできるのである。
だが、それ以降は経験がうみだす計画に肉体がついていけなくなるため、必然的にできることがスケールダウンしてゆかざるをえない。
肉体の衰えを自覚し、自ら撤退戦を演じることができれば遭難を避けられるが、それを認めることができず経験に無理やり追いつこうとしたとき、43歳の落とし穴にはまる。それが43歳での遭難の原因である。私はそんなふうにとらえていた。
実際に43歳になって
自らに起きた変化
ただ、このように分析していたのは、まだ40歳ぐらいの私であった。
そして“43歳落とし穴説”の解決策として当時の私はじつに的確な対応を想定していた。







