こうした中、買い手の側にも変化が起きている。立地や広さといった自分たちの優先順位を貫くために、築年数という枠組みを柔軟に捉える人が増えた。実際に築30年を超える物件を前向きな選択肢に入れることも、今のマーケットを味方につけた賢い戦略として定着しつつある。
ただし、誰もが当たり前に古い物件を検討するようになった今だからこそ、物件そのものの実力を見極める「目」の重要性がかつてなく高まっていることも事実だ。好条件に見える物件の中には、将来の資産価値を毀損(きそん)するリスクが高い物件が混在していることも、否定はできない。国が中古住宅の活用を後押しする動きに合わせ「今、どんな家を資産として残すべきか」というルールの輪郭が、以前よりもはっきりしてきたからである。
中古住宅が価値ある資産へ変わる
住宅政策の大きな転換
日本の住宅政策といえば、長らく新築が中心だった。しかし2026年、その潮流は中古住宅を有効に活用する方向へと変わり始めている。中古住宅を価格高騰下におけるセカンドベストとしての選択肢ではなく、長く住み継ぐべき正当な資産として評価する、という方針への転換だ。
その変化を象徴するのが、昨年末の税制改正大綱で打ち出された住宅ローン控除の見直し方針である。面積制限の緩和や控除期間の延長といった方針からは「中古を新築と同等に扱う」というスタンスが見て取れる。中古住宅を住宅政策の柱として据えるという国の決意表明とも言えるものだ。
今後は、「国が資産として守るべき家」と、「公的な支援の枠から静かに外される物件」の二極化が加速していくだろう。実際、住宅の“安全性”と法的な適合性を中心とした“質”については、資産として認められるための合格ラインが以前よりも明確に、そして高く設定されている。
2026年における住まい選びは、こうした追い風をしっかりと受けられる物件か、それともその枠から外れてしまう物件かを、冷静に見分けることが重要となる。では、具体的にどのような物件がその境界線の外側に置かれてしまうのか。チェックすべき3つのポイントを整理しよう。







