日本と中国に「いつも通貨安を望んでいる」
「韓国ウォンの下落は行き過ぎ」と批判

 1月は外国為替市場で重要な変化が起きた。トランプ大統領が、ドル高の是正を狙っていることが明確になったのだ。

 まず、ベッセント財務長官が、為替レートの下落が著しい国に警告を発した。1月中旬、「韓国ウォンの下落は行き過ぎ」との認識を示した。

 さらに1月23日、米財務省はドル/円のレートチェックを指示。ロンドン市場が終盤となる日本時間午前1時30分ごろ、ドル/円の為替レートは一気にドル安・円高に動いた。

 ニューヨーク連邦準備銀行は極端な為替レートの変動を抑えるため、銀行に為替レートを照会したと報じられた。ベッセント長官のドル高への懸念の高さがうかがわれた。

 その後、トランプ氏の「ドル高の修正を歓迎」との発言で、現在のドルの水準に満足していないことが確認できた。1月26日、トランプ氏は、韓国の関税を15%から25%に引き上げると表明した。韓国の対米投資が遅れていること、米国のIT企業に不利な規制があることが、主な理由との見方は多い。

 それに加え、ベッセント長官の発言後も、ウォン売り圧力が続いたことは見逃せない。1月初頭から22日までの間、米ドルに対する下落率でウォンは円を上回った。トランプ氏は韓国政府に、より厳正にドル高・ウォン安傾向を是正するよう、関税引き上げを使って圧力をかけたといえる。

 さらに1月27日、トランプ氏はドル安を「懸念していない」と発言した。さらに、日本と中国を名指しして、「いつも通貨安を望んでいる」とまで批判した。米国政府の為替レートに対する行動や発言は、ドル高を是正したい姿勢が明確であることを示している。

 一連の発言と合わせて、トランプ氏は欧州批判を強めている。これにより、欧米諸国の政策連携は行き詰まるとの懸念が高まっている。

 米国が、基軸通貨であるドルの地位を、自ら引き下げる姿勢を取っているとみる市場関係者は増えている。多くの投資家が、ドルの信認低下から資産の価値を守るため、金(ゴールド)などの貴金属を購入する動きが鮮明になった。