池上 一方、高市さんは1996年の衆院選で新進党から出馬するも当選直後に離党し、2カ月後に自民党に移った。だから新進党時代の高市さんのことを知っている人たちは、高市さんに対する不信感が強いのでしょう。

 同じ自民党でも、石破政権で総務大臣を務めた村上誠一郎さんは比例四国ブロック(定数6)の名簿順位が10位。前回選挙では名簿順位1位でした。

比例名簿10位の村上誠一郎
当落線上で相当厳しい状況

増田 村上さんは党内きってのリベラル派です。憲法改正に慎重で、政治とカネの問題や旧統一教会との癒着の問題では党内批判も辞さない姿勢を貫いています。

 高市さんの慕う安倍晋三元総理が進めた経済政策「アベノミクス」に対しても、大胆な金融緩和が近年の物価高を招いたと厳しく批判していますから、積極財政を打ち出す高市総理と合わないのでしょう。比例名簿10位は、当落線上で相当厳しい状況と言えます。

党のナンバー2である幹事長が
落選の危機

池上 他に注目の候補でいえば、中道の発信力の弱さも一因にあるとは思いますが、中道改革連合の幹事長で立憲民主党出身の安住淳さんが立候補している宮城4区は激戦だと伝えられています。対抗馬は自民党の森下千里さん。元グラビアアイドルで前回の衆院選では比例で当選しています。

 もし安住氏が落選すれば、中道は党のナンバー2にあたる幹事長の落選となり、党にとっては大きな痛手となります。

増田 安住さんは2020年に衆院予算委員会の質疑内容を報じた新聞各紙の紙面を論評して、それぞれ「ギリギリセーフ」「論外」などと採点したものを衆院会派の控室のドアに貼りだして、大きな話題になったことがありますね。普段の物言いもかなり強気でした。

 それでも自民党が少数与党になり、衆院予算委員会の委員長になってからの差配などは、非常に中立的な運営を心掛けていたように思います。攻撃的な面を控えて、中立的に役割をこなそうとすると支持が減ってしまうのでしょうか。

 自民党では、今回は公認を得た萩生田光一さんや下村博文さんなどのいわゆる「裏金議員」と呼ばれる人たちの情勢も気になります。メディアでは政治とカネの問題は重視されますが、有権者の判断はどうなるのか。