いきなり「フルマラソンを走ってください」といわれたら尻込みしてしまいますが、「まずは1キロだけ走る」「3キロ走る」「5キロ走る」……といった具合に、徐々に距離を伸ばしていけば、そのうち、ハーフマラソンを完走できるようになるかもしれませんよね。

 細かくステップを分けることで、1つひとつの目標を達成しやすくなり、「ゴールに近づいている!」という自信も深まります。

 これは不安に対処するときも同じです。

 大きな不安を感じたとしても、「ホップ・ステップ・ジャンプ」のように段階を分けて考えることで、「とりあえずホップまではいけそう」→「ホップまで来たら手応えが得られた」→「じゃあ、次はステップにチャレンジしよう」のように、対処していけるようになります。

 例えば、「会社で大きなプロジェクトのリーダーを任されて、自分にできるか不安」という人は、「自分が成功させた経験のある以前の小さなプロジェクト」をイメージしながら、大きなプロジェクトを3つくらいの小さなプロジェクトに分けて考えて、「ホップ・ステップ・ジャンプ」のスモールステップを設定することができますね。

 このようにスモールステップをクリアしていけば、少しずつでも前進していけるのです。いきなり大きな成果を出そうとせず、自分ができそうなステップに分割して、ラクな気持ちで取り組むのがポイントです。

あえて不安に向き合うことで
苦しみから解放されることも

「スモールステップ」の考え方を取り入れたのが、「段階的曝露療法」と呼ばれる治療法です。

 段階的曝露療法とは、自分が不安や恐怖を感じている状況や環境にあえて身を置き、徐々に慣れていく方法のことでした。

 現実に存在するものに慣れていく方法を「現実曝露」といい、現実ではない空想の物語のイメージを通じて不安や恐怖に慣れていく方法を「イメージ曝露」といいます。

 イメージ曝露では、最悪の状況(ワースト・ケース・シナリオ)を想像します。