直面する3つの課題
まさに「女王」とも呼べる立ち位置を手に入れた高市首相だが、課題も存在する。それは以下の3つだ。
○連立の枠組み
衆議院に限れば、自民党だけで何でもできる状態。連立を組む維新は数のうえでは不要。ただ、参議院では維新と合わせても過半数に届かない。そうした中、維新から閣僚を起用して重い責任を負わせるのか、衆議院の定数削減や大阪副首都構想でもめた場合、連立を解消するのか、あるいは、どこかのタイミングで国民民主党と組むのか、2027年春の統一地方選挙をにらんでの政権運営も問われる。
○止まらない円安
輸出産業は「ホクホク」だが、行き過ぎた円安は物価高を招く。高市首相が理想とする英国の元首相、マーガレット・サッチャーは、インフレ期に宰相に就任し、緊縮財政と規制緩和で経済を立て直した。物価高抑制には、財政支出を抑え金融を引き締めるのがセオリーだが、高市首相の政策は「積極財政」と「低金利」で真逆。
○答弁の危うさ
「とにかく明るい高市首相」は個人的に「買い」だが、台湾問題に関する「存立危機事態」発言に加え、選挙期間中、札幌市での遊説で語った「外国資本に土地を買い続けさせるわけにはいかない」発言、さらには既述の「ホクホク」発言など、時折、記者会見や国会答弁で危うさがのぞく。
好都合なトランプ
では、外交面ではどうだろうか。アメリカのトランプ大統領にとっては、高市首相率いる自民党が圧勝したことは好都合だ。
トランプは、国際的には「グリーンランドを領有したい。反対するなら関税を課す」という発言で欧州と対立し、国内的には中西部ミネソタ州での不法移民取り締まりで犠牲者を出したことで、11月の中間選挙を前に支持率の急落に直面している。
そんなトランプからすれば、高市首相は決して文句を言わないリーダーであり、防衛費の増額などによって、東アジアの安全保障に一定の責任を負ってくれる宰相に映る。言い換えるなら、「もっとも問題がない国の、もっとも話が合いそうな人物」に思えるからである。
「日本人のあなたは、そんな首相では物足りないと言うかもしれませんが、欧州と争い、ロシアやイランと交渉しているトランプは、日本のリーダーに関して高市さんであり続けてほしいと思っていたはずです」
これは、在ワシントン保守系シンクタンクの研究者の弁だが、この言葉からも、トランプが3月後半にも高市首相を国賓待遇でアメリカに招こうとしている理由が見えてくるようだ。







