「不覚であり、浅はかであった」
ちいかわは“かわいい”だけじゃなかった!

 ちいかわはイラストレーター・ナガノ氏がSNSに投稿する1ページのマンガやイラストを元としており、単行本やアニメはそこから派生したコンテンツだ。SNS発だからこそフォロワーが増えやすかったところはあるとはいえ、大人気漫画『鬼滅の刃』のフォロワー数332万と比べても多い。

 私のちいかわに関するぼんやりとした認識は「特に子どもに大人気。キャラの目がキラキラしている。ほのぼのした話」くらいの認識だった。一方で、大人が熱っぽくハマっている様子を方々で目にしてはいた。

 だがそれでも、「すみっコぐらし」が大人にも刺さるかわいさだった(キャラの設定含む)のと同様、ちいかわもかわいさのみで支持されているコンテンツだと思い込んでいたのである。

 不覚であり、浅はかであった。この度、アニメを視聴したり単行本を読んだりして、認識を大幅に改めさせられた。ちいかわは大人を魅了する要素を多重に含んだ作品であった。

 今さらながらの説明ではあり、ちいかわの実態を知る人には不要かと思うが、先日までの筆者のようにちいかわを知らない人向けに、「ちいかわが子ども向けと見せかけて大人にもウケる要素」を3つにまとめて簡単に紹介したい。

 1つ目は、見た目が醸し出す雰囲気の通り、ほのぼのとした癒やしである。

 日常の中のクスッと来る笑いや小さな優しいやり取り(主要登場キャラが本当にいい子たちなのである)は、日々の生活ですり減った我々の魂を回復させてくれるかのようである。

 また、眉間にすさまじくシワを寄せて酒とツマミを飲み食いし「ハーーッ」と嘆息するくりまんじゅうというおじさんっぽいキャラなんかもいて、作品をかわいいだけで終わらせようとしない癒やしが万人受けにつながっている。

 特に何かが起きるわけでない日常の描写がメインのジャンルに加え、ここ最近では人と人との優しい交流を通して癒やしを伝える「癒やし系」とでも称すべきジャンルも流行っている。分類するなら、ちいかわもそのタグを冠することができようか。