だが、ちいかわに比すれば規模感は遠く及ばない。ブレインロットはインドネシア発祥で、ヨーロッパではよく流行っているようだし、タイではケンタッキーフライドチキンが新しい関連キャラを制作するなどしているようだが、国内での認知度はまだ大人たちを大きく巻き込むほどではない。
ちいかわの前にグッズ売り場を席巻していたのはすみっコぐらしや鬼滅の刃で、これらに共通してきたのは「大人もハマる」という点である。
子どもだけでなく大人を魅了するキャラは
どんないいことがある?
大人がハマると何が強いのか。ざっと思いつくのは以下である。
・家庭で子どもの視聴機会が増える:大人が視聴を勧める、視聴の許可を与える、または大人が視聴しているものを横から子どもが観る。
・大人が子どもに関連グッズを買い与える機会が増える、または買い与えるハードルが下がる:推しの作品のグッズは大人にとってもうれしいので、「ちいかわだったら買ってあげるよ」が発生しやすい。
・大人が作品を肯定する姿を見て子どもが影響される:「ハマっていいんだ」「パパママが好きってことはすごくいいものなんだ」と子どもが思い、子どもなりの推し活がブーストされる。
これらが相まって大盛況となるのが、売り場を席巻してきたキャラクターの特徴である。
なお、ここまでちいかわを「子ども向けコンテンツ」として便宜的に説明してはきたが、私が調べた範囲では制作陣は元より対象年齢を明確に設定していない様子である(Netflixで配信されているアニメ版の年齢制限は10+となっていた)。
すみっコぐらしのファーストターゲットは女子、鬼滅は少年であるのに対し、ちいかわは特定のファーストターゲットを持たない点にひとつの違いが見られる。
結局のところ、そのコンテンツが大きく伸びるかどうかは「子どもが好むか」「大人が味方になるか」にかかっている。
ちいかわが大ヒットしているのは単なる偶然の成功ではなく、子どもにも親しみやすい絵柄と物語、そして大人の心を巻き込みうる癒やしや生活感、それとスパイス的なホラーなどの要素がいくつも相まった上に成立している。そこにこの作品の真の強さがあるといえよう。







