ANA、国際貨物の売上高「5年で1.3倍」成長に向けた戦略とは?輸送需要拡大による物量増に期待 画像:カーゴニュース

貨物事業の売上高、30年度で4250億円へ
ANAとNCAとのシナジー300億円目指す

 25年度はANAグループの中期経営計画(23~25年度)の最終年度にあたる。貨物事業における計画の達成度について脇谷社長は「航空ネットワークの充実が重要となる中で、NCAのグループ化を達成できたことは最も大きな成果」と説明。同期間中は動物の国際輸送サービス「PRIO LIVE ANIMALS(プリオライブアニマルズ)」をはじめとした商品の充実や、医薬品・半導体関連などの高単価商材の取り込みといった施策も進めてきた。

 24年10月には成田空港の貨物地区で分散していた上屋を集約し、自社最大の貨物エリア「ANA Cargo Base+」を開設した。脇谷社長は「中計の中で予定されていた供用開始の時期や自動化の推進などを計画通りに達成できた」とし、現在の稼働状況については「物量を確保できていることもありスペースがタイトになっている。オペレーションの工夫により対応することを計画している」と述べる。

 26年度から始まる新中計では貨物事業の目標として、30年度までに国際貨物の事業規模(有効トンキロ)を現行の1.3倍にまで拡大する方針。25年度の計画値を100とした場合、28年度の目標値として122、30年度には133程度まで引き上げていく。

 売上高では、25年度の計画値3215億円から、28年度で4000億円、30年度で4250億円への成長を掲げる。また、ANAとNCAによるシナジー効果として300億円の創出を目指す。

 計画達成への重点施策として北米路線を増強し、アジア~欧米間で成長する需要の取り込みを図る。NCAの貨物便の成田~シカゴ・ダラス・ロサンゼルス便で計週5往復を増便するなど、NCAでは欧米ネットワークを、ANAではアジア路線を強化する。

 脇谷社長は「ANA単体のネットワークではアジア路線の割合が高く、北米路線は手薄だった。アジアと北米の割合のバランスを取るためにも、ネットワークの再編は重要であり、欧米路線に強みを持つNCAの存在は大きい」と語る。

 機材の運用計画として、中型貨物機はアジア路線を、大型貨物機は欧米路線を中心に投入することでチャーター便や臨時便に柔軟に対応できる体制を整備していく。