マンション羅針盤 管理&売買#22Photo:PIXTA

4月から改正区分所有法が施行された。今回は老朽化マンションに対して、従来のように建替えだけではなく、解体して敷地売却をするという出口に対しての各種制度が整備されたのだ。管理組合はこの法改正に対してどのように向き合うべきか。連載『マンション羅針盤』の第22回では、マンション管理の憲法といっても過言ではない区分所有法改正の内容を整理しながら、管理組合が今後どう対応するべきか考える。(フルニール代表 中村優介)

改正区分所有法施行で何が変わる?
マンション管理現場の最前線からはこう読む

 2025年5月に老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律が成立・公布され、その中核となる改正区分所有法も26年4月から施行されることになりました。

 これに合わせて国土交通省から、マンション再生等手法の比較検討マニュアル案、マンション再生実務マニュアル案、マンション等売却実務マニュアル案、マンション除却事業の解説案、マンション改修マニュアル案、団地型マンション再生等マニュアル案、被災マンション再生等の制度解説案、マンション再生事業等に関する認可等マニュアル案、要除却等認定実務マニュアル案といった、多数のマニュアル案が示され、26年3月19日まで意見募集(パブリックコメント)も行われました。マンション管理の潮目はここ数年で大きく動いたと言ってよいでしょう。

 もっとも、現場の感覚としては「制度が整えば管理はうまくいく」というほど単純でもありません。実務で日々感じるのは、「この先、誰がマンション管理実務を担うのか」「誰が意思決定をリードするのか」という問題が、さらに管理組合に強く突き付けられているということです。どれだけ法律やガイドライン・マニュアルが整理されても、当事者の意思決定がなければそれらを活用することはできません。

 本稿では制度改正の流れを踏まえながら、その論点を整理してみたいと思います。次ページから詳しく見ていきましょう。