知的財産を経営にどう生かすか
――希少性や非再現性は、知的財産の核心的要素です。古木の持つポテンシャルを知的財産として事業に活用する取り組みについて教えてください。
山上 知的財産を自社の権利として保護することはもちろんですが、当社はむしろ、知的財産権は、古木流通のような新しい市場を創造する際に「市場のルール設計に役立つ」と考えています。
2018年に「古木(こぼく・KOBOKU)」を商標登録しました。これは、古木の定義を明確にすると同時に、市場における言葉の意味を固定化するためです。当社は、市場価値ある「古木」と呼ぶべき木材を、次の三つの条件を満たすものに限定しています。
第一に、1945年以前に建てられた古民家の解体時に発生した柱、梁、桁、板などの材料であること。近代工業化以前の建築環境で使われていたものなので、化学合成による保存剤を使用しておらず、ものによっては200年、300年という時間を経て自然に強度を増していることもあります。
第二に、専門スタッフが腐食や虫食いの有無などを手作業で1本1本検品し、品質が担保されていること。実際に商材として販売することを考えれば、当然、最も重要な条件となります。
第三は、入手経路や解体した古民家の立地・竣工年が明確なトレーサビリティーが確立している材料であることです。
約5000本の「古木」を保管する長野県大町市の倉庫。職人の仕事によって厳重な品質検査・管理が行われる 写真提供:山翠舎







