「都合の良い日程」を聞かれた時
「NG日程を返す人」が知らない事実

 相手が期待するものがわかったら、それを提供するのが仕事の基本です。

 資料が欲しいと言われたら、その資料を用意する。打ち合わせの予定調整をしてほしいと言われたら、出席者の参加可能な時間帯を確認して会議室を押さえる。そういう動きをするのが普通です。

 しかし、時々、「言われた内容をそのまま実行するよりも、より良い選択肢がある」というケースもあります。とはいえ、そうした時に「良かれと思って」相手の期待と異なる対応すると、「いらんことをするな」「言われたことをちゃんとやれ」と叱責されてしまうリスクがあります。

 例えば、打ち合わせの日程を調整しようとして、「候補日程を出してほしい」と言われたとします。

 この時、相手が期待しているのは「都合の良い日程」です。

 しかし、自分の予定がかなり空いていてほとんどの日程で対応できるという場合には、「この日とこの日を避けてもらえれば、後は大丈夫です」というNG日程を返すほうが親切ではないか?と思う場合もあるでしょう。

 そのときに、「10日の午後と、13日の午前以外でお願いします」と返すと、「いや、OK日程を出せと言っているのに、なんでNG日程を出してくるの?」と思われてしまうかもしれません。人によっては、書いてある日程をそのままコピペして一覧にしたいのに、NG日程を書いてくる人がいたら管理の手間が増える……とかいう事情もあるわけです。

 こういう時には、少なくとも一言添えるべきです。

 つまり、

「ご指定いただいた9日~17日の平日日中は、基本的に空いています。ただ、避けていただきたいところが2カ所だけありますので、そこだけお伝えさせてください」

 というような書き方をすれば、相手も、こちらの事情を汲んでくれる可能性が高まります。

 当然ながら、基本的には、相手がオーダーしてきたものを提供するべきです。

 先ほどの例では、

・10日AM、13日PM がOK
・それ以外の候補日は、終日OK

 というふうに書くべきだと思います。

 ただ、いろいろな状況で、「相手にとってこちらの方がわかりやすいだろう」という時には、「なぜ、自分がそのように考えているか」をちゃんと伝える必要があります。

 特に、新人のうちは、相手からすると「どこまで理解しているのか不安」「どれくらいきちんと対応できるのかわからない」という、信頼関係がまだできあがっていない状態であることを認識しておく必要があります。

 その点を理解していれば

・できるだけ期待通りに対応する
・期待と異なる対応をする場合は、その理由を伝える

 というのが適切な対応であると、新人も納得できると思います。

 新人は、能力が低いのではなく、期待されている行動に対する「知識」が不足しているのです。

 どういう動きをすることが、所属する組織の常識なのかを理路整然と伝え、理解してもらうように努めましょう。そうすれば、スムーズに組織になじみ、その実力を遺憾なく発揮してくれることでしょう。