また、転職によって企業年金のない会社に勤めることも珍しくありません。こうした状況において、iDeCoの限度額引き上げは、企業年金がなくても将来年金形式で受け取れる老後資産を準備できる有効な手段となります。

3.勤務先に年金形式の退職金制度があるが、iDeCoの掛金を増やしたい人

 現在の「月額2万円以下」という制約がなくなり、「6万2000円-他制度掛金相当額-企業型DCの掛金」というルールのみが適用されます。

 ここで差し引かれる「他制度掛金相当額」は、確定給付企業年金や厚生年金基金に対して会社が拠出している額を、一人当たり平均に換算したものです。同一企業であれば役職に関係なく同額となります。

 一般的には1万円弱ですが、企業によっては5万円以上と手厚いケースもあります。こうした場合、iDeCoで追加拠出できる余地は小さくなります。「他制度掛金相当額」は、勤務先の年金関係のサイトや担当部署に確認すればわかりますので確認しておきましょう。

 もう一方の「企業型DCの掛金」は企業型DCの掛金として会社が本人に拠出している額を言います。同じ勤務先でも個人ごとに異なりますので、ご自身の企業型DCの加入者サイトや、加入時に渡されたテキストに掲載されている拠出ルール表などで金額を確認しておきましょう。

4.定年以降も再雇用などで働く60代社員

 定年後に再雇用などで働いている方の多くは、積立限度額が2万3000円から6万2000円へと大幅に引き上げられます。

 定年を迎えると、勤務先の年金・退職金制度における立場が「加入者」から「受給者」に変わり、新たな拠出が行われなくなるのが一般的です。この場合、前述の「企業年金がない人」と同様の扱いとなり、限度額が引き上げられます。

 老後資産づくりを目的とするのであれば、生活に支障のない範囲で5年、10年と積立を続けることで、老後資金の最終的な積み上げが可能になります。