しかし、対象会社は枯渇しつつあり、2031年度以降の成長を見据えれば、四国外、海外を対象としたM&A・出資戦略が必須になる。とはいえ、企業価値向上に資する企業を適切な投資で取得するのが原則であり、数字だけを追っては本末転倒である。
この他、「従来の枠にとらわれない柔軟な考え方による新規事業の創造」として、2024年から熊本県でトライアル中のサーモン陸上養殖事業や、鉄道用光ケーブルの貸与などのインフラシェアリング事業を挙げている。これらはJR西日本などで先行事例があるように鉄道業界全体で見れば「従来の枠にとらわれない事業」ではないが、他社の成功事例を取り入れる余地は大きいだろう。
ホテル事業を四国以外にも拡大
将来的には全国展開も視野
ふたを開けて見なければわからないM&A戦略に対し、従来の取り組みを一層、強化するのが駅ビル・不動産事業、ホテル事業だ。
2025年度事業計画では、ホテル事業が営業収益約79億円、償却前経常利益約14億円、駅ビル・不動産事業が営業収益約76億円、償却前経常利益約3億円だった。だが、2030年度目標値はホテル事業が営業収益約116億円、償却前経常利益約20億円、駅ビル・不動産事業が営業収益約139億円、償却前経常利益約27億円としている。つまり、両セグメントあわせて約100億円の増収、約30億円の増益だ。
ホテル事業(JR四国ホテルズ)は現在、姫路に1館、四国で7館を経営している。四国を代表するホテルグループとしての地位を固めてきたが、2030年度までの「ステップ1」においては四国、中国、関西など、JR四国と親和性の高い地域へサービスを拡大する。
徳島駅ビル(JRクレメント徳島)(筆者撮影)







