対応の遅れは追加のリストラも招く…
取引先2万社、製造業の国際競争力を左右
ホンダが業績を立て直すために必要なことは何か? まず、景気が底堅さを残す米国を中心に、HVの供給体制を引き上げることが挙げられる。
HVは、電動車とエンジン車の両方の性能を併せ持っている。HVを基礎に、新たな需要創出に取り組めば、エンジン車、HV、PHV、EVと全方位のプロダクトポートフォリオが強化されるはずだ。また、自動運転など車載用ソフトウエアは、米国や中国の大手企業と連携する展開が予想される。
その上で、シェアを高めるために、現地企業との合弁も重要な選択肢になるだろう。つまり、地産地消体制の強化だ。これは、米国や欧州の政策変更リスクに対応するためにも欠かせない。経済安全保障の観点から、米欧の自動車メーカーと中国勢の協業がいつまでも持続可能とは限らない。
ホンダに求められるのは、こうした事業戦略をスピーディーに実行することだろう。対応の遅れは、さらなる業績悪化につながる。イラン戦争の影響で米欧の自動車需要が本格的に落ち込むと、ホンダは追加のリストラ(資産の売却、人員削減など)に迫られるはずだ。しかも、ホンダがトップシェアを誇るアジア新興国の二輪市場の競争も激化している。
ホンダの四輪車事業の立て直しは、わが国の自動車業界、さらには経済全体に重大な影響を与えるといっても過言ではない。同社の業績が安定しないと、日産との協業検討にも影響を与えるだろう。ホンダと日産の直接・間接の取引先は2万社規模に達する。わが国の産製造業全体の国際競争力に関わる問題ともいえる。
ホンダは、ライバルも業況が悪化している今こそ、むしろ重要なチャンスと認識すればいい。迅速な構造改革が求められる。米国を中心にHV需要を創出することができれば業績が改善する可能性はあり、重要な局面を迎えているといえるだろう。








