「DX疲れ」によって
「既存コンサル」への不満が…
まずは事業会社発コンサルが増えている理由を見ていこう。結論から言えば、それは「DX疲れ」とでも言うべき市場の変化である。
2010年代後半以降、新型コロナウイルス感染拡大を追い風に、大手コンサルファームは「デジタル化」関連の案件を数多く受注してきた。
オンプレミス環境のクラウド移行、ERP(基幹システム)を活用したヒト・モノ・カネの管理など、その内容は多岐にわたる。中には数億円規模のコンサルティングフィーが発生した案件も存在する。
しかしながら、その結果として、クライアント企業が抜本的なDX(デジタル・トランスフォーメーション)に成功したかと言えば、必ずしもそうではない。
ビジネスモデルそのものを変革できず、部分的な業務効率化にとどまった企業も少なからず見受けられた。
また、既存の業務プロセスに慣れた社員が、コンサルが提案した仕事の進め方に抵抗感を抱くケースも多く、「理論としては正しいはずなのに、現場が動かない」という弊害も生じていた。
こうした不満が積み重なる中で、「実際に事業を動かしてきた人の話が聞きたい」という需要が顕在化してきたのである。
このほか、事業会社を取り巻く事業環境も、事業会社発コンサルの台頭に一役買っている。
大手企業の中には、既存事業が成熟期に入り、安定した収益が見込める一方で、高成長は期待しづらくなったケースがみられる。
そうした企業にとって、自社が長年蓄積してきたオペレーションやノウハウは、新たな収益源になり得る「知的資産」である。
コンサルビジネスを通じて、これらの資産を他社・他業界に横展開すれば、さらなる成長を実現できる――。事業会社の役員や事業開発部門の間では、そうした発想が急速に浸透している。
その結果、昨今はコンサルファームからの「転職組」ではなく、あくまで事業会社の内部で事業を牽引してきた人材が、社内ベンチャーや分社化といった形でコンサル部門を率いる例が多いようだ。







