現役コンサルが明かす
事業会社発コンサルの“本当の評判”
実際、筆者がコンサル業界関係者に事業会社発コンサルの率直な印象を聞いたところ、その評価はまちまちだった。
建前としては「面白い動きだ」「現場知識を持つプレイヤーが増えるのは業界全体にとってプラスになる」という肯定的な声が出てきた。
だが、本音のレベルで聞くと「そもそも論点整理や問題解決力がなく、コンサルと名乗れるものではない」「クライアントの現場が混乱したという話を聞いた」という厳しい評判も漏れ聞こえてきた。
特に、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、ベイン・アンド・カンパニーなどの戦略系トップファームの出身者の間では、事業会社発コンサルを「純粋な意味でのコンサルファームとは別物」と捉えているケースすらあった。
その背景には、「業界経験はあっても、思考の訓練を受けていない」という見方があるようだ。
これは正当な批判でもある一方、自らの専門性やブランド価値を守ろうとする、既存ファーム側のプライドや警戒心の表れかもしれない。
さて、ここまでは事業会社発コンサルの厳しい評判を率直に書いてきたが、より幅広くヒアリングしてみると、実は一部ながら高評価する声も聞かれた。
評価すべきポイントは「泥臭さ」なのだという。
戦略コンサルが美しいフレームワークに基づく戦略立案を得意とするのに対し、事業会社発コンサルは「実際に現場でどう回すか」までを考え、成果が出るまで泥臭く伴走するケースがあるという。
この差は、特にDX推進の文脈では決定的な強みになり得る。
そのため、「既存のコンサルと事業会社発コンサル、どちらに依頼すべきか」という問いに対して、筆者の答えは「ケースバイケース」である。
事業会社発コンサルが全く頼りにならないわけではなく、役立つケースも確実に存在する。既存のコンサルよりも低コストで済むこともあるため、時と場合に応じて使い分けるのが正解ということになろう。







