わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】#10

中学受験への挑戦を決めた家庭の最初の難問が、塾選びだ。どの塾もウェブサイトや広告で有名難関校の合格者数を前面に押し出してくるものの、塾同士の横比較は簡単ではなく、また、そもそも難関校だけを志望しているとは限らないはずだ。そこで、特集『わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#10では、首都圏の主要25塾における直近2026年入試の合格実績を大分析。難関校から中堅校以下まで、どの学力層でも役立つ各塾の真の「合格力」を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

合格校の「平均」偏差値は
塾によって大きく異なる

 中学受験塾選びの際の指標となるのが、各塾の広告やウェブサイトで前面に押し出される難関校の合格者数だ。しかし、その数字は、その塾の実力を必ずしも表しているわけではない。例えば、生徒数が多い塾ならば、それに比例して難関校の合格者数も増えるだろう。その塾の生徒の“平均”的な合格校の偏差値帯は、塾によって大きく異なるのが実態だ。

 そこで、長年にわたり中学受験塾の情報を網羅的に収集し、分析している中学受験カウンセラー、石田達人氏の協力の下、首都圏主要塾の直近2026年入試の合格者データを大分析。各塾における合格校の「偏差値帯ごとの割合」や、合格校の「平均偏差値」を算出することで、難関校の合格者数に惑わされない塾の真の実力が分かる「合格力」ランキングを作成した。

 ただし、肝に銘じてほしいのは、ランキング上位の塾が、わが子にも最適な塾とは限らないことだ。塾選びでより大切なのは、子どもの現時点の学力や志望校、さらには子どもの性格と塾の指導方針の相性などによって、塾が変わる点だ。

 加えて、各塾が公表する合格実績データそのものにも注意が必要である。全国学習塾協会は、合格実績として公表できる生徒の範囲の自主基準を定めているが、順守義務はなく、合格者数のいわば“水増し”的なカウント方法をしている塾もある。

 また、大半の塾では入試後程なく、合格校の難易度や知名度とは関係なく全ての生徒の全ての合格校をウェブサイトなどで公表するのが一般的だが、中には学力下位の学校名をあえて「非公表」にしている塾もある。大切な顧客であったはずの「生徒や保護者の頑張りを軽んじるやり方」(首都圏の大手中学受験塾幹部)ともいえ、その塾の誠実さを見極める重要ポイントになるだろう。

 本稿でも塾が公表する合格者データを基に分析を行うが、残念ながら現時点で各塾の公表実績以外にその力量を測る指標がないからだ。それでも各塾の合格実績の長期的な推移や塾同士の横比較を見ることで、その塾の勢いや「お得意さま」としている生徒の学力層、さらには特定の学校への強さなど、さまざまな「真の実力」に迫ることができる。

 次ページでは、首都圏の中学受験塾における絶対王者、SAPIX(サピックス)をはじめ、本特集#5で、そのサピックスの御三家合格者数を「最短で再来年入試に追い抜きたい」と野望を明かした早稲田アカデミー、さらには少数精鋭型で難関校を目指すグノーブル、エルカミノ、希学園などの合格校の平均偏差値を算出して順位付けした「『合格力』ランキング」を公開。これに加えて、主要25塾がどの偏差値レベルの中高一貫校にどれだけの合格者を出しているかの割合を算出した「合格校入試偏差値ランク別のウェート図」「『合格力』と塾の規模の相関図」「主要な中学受験塾の塾生1人当たりの合格校数」など、塾選びにきっと役立つ五つの図表と分析を一挙掲載する。