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第3次“中受”ブーム真っただ中の関西。直近2026年入試では、加速する少子化をはねのけ、受験者数が4年連続で続伸し、受験率も過去最高を更新した。来る27年入試も26年入試を超える過熱が確実視されるだけでなく、古都の名門男子校、洛星の電撃的な入試改革などで受験動向の激変がささやかれる。特集『わが子がもっと伸びる! 中高一貫校&塾&小学校【2027年入試版】』の#13では、西の中受一大市場における26年入試の分析と27年入試の行方について、関西の中学受験を知り尽くす中学受験塾幹部たちに聞いた。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
灘を含む最難関9校中8校で倍率低下
「安全志向」の理由とは?
関西(2府4県)の直近2026年入試の受験者数は、日能研関西の推計で1万7818人と、前回25年入試から235人増え、受験率も過去最高の10.88%(同0.36ポイント増)へと跳ね上がった。少子化によって、小学校の卒業生数の方は前年の17万0285人から26年は16万7125人へと3000人以上減ったことを考えれば、驚異的な伸びだ。
日能研関西の森永直樹取締役は、「前回25年入試では、2000年以降で初の受験者数の3年連続の増加となったがこれを続伸した。この傾向はしばらく続くとみており、次回27年入試では受験率11%突破がほぼ確実視されている」と話す。
また、アップ執行役員で進学館ルータス統括の吉田努氏も「エデュケーショナルネットワークの調査では26年入試の受験者数は1万7854人で、受験率は過去最高の10.9%に達した。受験率は京都府(受験率13.0%)、大阪府(同12.4%)、兵庫県(同10.8%)の順で高く、大阪と兵庫に加え、奈良県(同8.0%)と和歌山県(同9.8%)でも過去最高の受験率になった」と言う。
まさに天井知らずの関西の中学受験ブームだが、その恩恵にあずかれなかった学校群がある。西の最難関、灘を筆頭とする「最難関9校(灘・東大寺学園・洛南高校附属・西大和学園・大阪星光学院・甲陽学院・四天王寺・神戸女学院・洛星)」だ。
下表を見てほしい。前回25年入試で大幅減となった「隔年現象」で受験者が反転した甲陽を除く8校で前年より倍率が下がったことが分かる。
その理由について、「少子化の影響が最難関校を含めて広がりつつある中、大阪府をはじめとする高校授業料無償化の影響が追い打ちをかけ、言わば駆け込み的に中堅校への受験へかじを切った家庭が急増したことで、最難関校の減少傾向が目立つ結果となった」と、森永氏。
一方、吉田氏は「最難関9校の総受験者数は、24年6850人→25年6750人→26年6350人と下がり続けており、特に26年は灘や東大寺、洛星といった男子校での受験者減が目立った。その理由の一つは、関西の国公立大学における高校別合格実績にある。26年大学入試で京都大学の合格者数トップは大阪府立北野高、大阪大学は同茨木高、神戸大学は兵庫県立加古川東高、さらに大阪公立大学は大阪府立三国丘高と、いずれも地元の公立高が占めている。その結果、関西の国公立大を目指す最優秀層の男子の間で、私立中高一貫校ではなく『公立高で十分だ』という意識が強まっている」と分析する。
異なる要因を付け加えるのは、希学園の黒田耕平理事長兼学園長だ。「26年入試の受験生はちょうど小学校入学時にコロナ禍が始まり、集団生活への移行が遅れた学年。その学年の特徴として、本人はもちろん保護者も安全志向が強く、中学受験においてもチャレンジ受験が減っている。この点、27年入試を受験する現小学6年生の家庭は、コロナ禍の影響が相対的に少なかった分、26年入試の受験生よりもチャレンジ精神が強いと感じる」と言う。
浜学園の松本茂学園長も別のベクトルからコロナ禍に要因を見いだす。「コロナ禍を機に、学校サイドの情報発信の在り方が変化し、外部に向けて積極的にPRするようになった。それまでは保護者サイドから情報を取りにいく必要があったが、現在は情報が勝手に入ってくることで保護者の意識が大きく変わっている。最難関校が素晴らしい学校であることは昔から誰もが知っているが、たとえ中堅校以下であっても、例えば『大学入試の変化に対応』といった学校改革に積極的である点を新たに知ることで、受験校の多様化が起きている」。
26年入試における安全志向の高まりは、最難関校に次ぐ学力層の難関校も同様だ(下表参照)。
26年入試では6校全てで受験者数、倍率とも低下したが、特筆すべきは最難関校と遜色ない学力レベルに達するほど人気だった、高槻だ。前年からA・B両日程を合わせて386人も出願数を減らした。同校は26年入試で、「B日程」の男子の募集定員をそれまでの60人から40人へと3分の1も減らす代わりに、「A日程」では男子の募集定員を100人から110人へ、女子を80人から90人へとそれぞれ増やすという「女子シフト」に動いた。だが、その狙いは外れ、男子はもちろん女子でも出願数が減った格好だ。
塾関係者の間ではあまりに難化し過ぎたために敬遠されたことが主な原因とされるが、V字回復は容易ではないようだ。「高槻で長く教頭を務め、その躍進の立役者だった平沢真人氏が高槻を去り、今年4月からプール学院の校長に就任した」(吉田氏)からだ。
空前の中学受験ブームの陰で、最難関校・難関校離れともいえる現象が起きているわけだが、次回27年入試の受験動向はどうなるのか。
「首都圏と同じく、最難関校、難関校でなくても十分満足できる学校の層が分厚くなる中、最難関校の方も改革を打ち出していかなければ沈みかねない」(松本氏)とされる中、その先駆けとなったのが5月21日に入試改革を発表した、古都の名門男子校、洛星だ。
洛星の入試改革の中身の詳細は、『【独自】中学受験で関西最難関校グループから陥落寸前の名門・洛星が「高槻&大阪星光潰し」の入試大改革へ!27年入試は序列一新で大混戦に』を参照してほしいが、27年入試では洛星が台風の目になることで、関西の最難関校の構図が一変する可能性が極めて高い。
次ページでは、洛星の入試改革によって起きる受験動向の変化や27年入試の注目校、26年入試で入試大改革を行って勝負に出た「国立大学付属校の雄」である大阪教育大学附属池田の入試結果、さらに辺野古沖の転覆事故で女子生徒が亡くなった同志社国際をはじめとする関関同立付属校などを見る。










