副首都構想、衆院定数減、皇室典範の改正…成立のめどが立たない重要法案巡る国会攻防戦首相の高市早苗に皇族数確保についての案を「了」とする、「立法府の総意」を手渡した後、記者会見する衆議院議長の森英介(中央右)ら(6月10日午後、国会内) Photo:JIJI

 国会は7月17日の会期末まで残り1カ月を切ったが、重要法案のほとんどは成立のめどが立っていない。加えて昨年の自民党総裁選を巡る中傷動画問題で首相、高市早苗は厳しい立場に追い込まれている。参議院自民党幹部は「(高市は)早く国会を閉じたいと思っている」と語る。衆議院は自民党が圧倒的多数を占めるが、参院は今も連立を組む日本維新の会を加えても過半数に4議席足りない。2026年度予算審議で可視化された「参院の壁」が再び高市の前に立ちはだかる。

 さらに維新が連立合意の実行を高市に強く迫る。昨年の自民党総裁選で勝利を収めながらも首相になれるかどうか瀬戸際に追い込まれた高市に、“救命ブイ”を投げ込んだのが維新だった。そこで交わされたのが12項目の連立合意文書。その結果、高市は憲政史上初の女性首相の座を射止めた。それだけに連立合意の実行は高市にとって無視できない義務といえるが、いずれも難易度が高い。中でも維新にとって「副首都構想と衆院議員定数の1割削減」(維新幹事長の中司宏)は先送りできないテーマと位置付ける。

 しかし、自民党内には異論がくすぶる。副首都構想法案は、大阪維新の会が2度チャレンジしながら大阪市民の住民投票で否決された「大阪都構想」の実現に近づく内容を含む。法案は付則で大阪市民だけでなく大阪府民全体の賛否を問えることになるからだ。ただし、住民投票対象者の拡大は大阪市の在り方を府民全体で決めることになり憲法違反の指摘もある。