支持率急落の高市政権が深める「維新傾斜」の代償、予測不能の内閣改造で存在感増す2人の政治家首相の高市早苗は7月27日に衆院の予算委員会の集中審議に出席。報道各社の世論調査で内閣支持率が下がったことに関し、「原因は分からない」旨の答弁をした Photo:JIJI

 特別国会は想定外の形で閉幕し、敵なしに見えた首相の高市早苗が大きな壁に直面した。マスコミ各社が行った世論調査の内閣支持率が軒並み急落したからだ。一貫して高支持率を維持してきた「読売新聞」は12ポイント減の57%、「日本経済新聞」も10ポイント減の58%に落ち込んだ。すでに「毎日新聞」が51%から41%に急落していただけに自民党内に衝撃が広がった。

 背景にあるのは自民党の衆議院316議席という「数の力」への高市の過信。国民が求める物価高対策など生活密着型の政策より、与党のパートナーである日本維新の会が求める連立合意の実現をゴリ押しした印象を与えた。さらに高市が皇室典範改正を巡って「男系男子」の皇位継承に強いこだわりを示し、女性女系天皇論に一切耳を傾けなかったことも大きい。現に読売、日経両紙の調査とも「女性天皇を認めるべきだ」が8割を超えた。

 加えて、事実上の国会最終日となった7月24日の国会の迷走は力任せのシナリオなき国会戦略の限界を露呈した。維新が強くこだわった副首都関連法案の参議院における採決で沖縄北方・地方特別委員会の収拾がつかなくなっていたからだ。委員会採決にさえこぎ着ければ否決されても衆院での再議決に持ち込めたはずだった。

 ところが特別委の委員長は野党の立憲民主党が握っていた。そこで動いたのが自民党参院幹事長の石井準一と維新の国対委員長で首相補佐官でもある遠藤敬。立民の国対委員長、斎藤嘉隆との間で環境整備が行われた。その条件が付帯決議。要するに維新が目指す大阪都構想の住民投票と、大阪市長選など首長選挙との同日選を避けることを求めたのだった。