
営業職員による金銭詐取をはじめ、不祥事の発覚が相次ぐ生命保険業界。フルコミッション(完全歩合)型の報酬体系にスポットライトが当たり、見直しの機運が生まれているものの、それが根本的な問題解決策となるのだろうか。連載『ダイヤモンド保険ラボ』の本稿では、生命保険協会の会長を務める住友生命保険の高田幸徳社長に、一連の不祥事を踏まえた業界課題に対する考えや、生命保険募集人の新たな呼称に込めた思いについて聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 藤田章夫、ダイヤモンド編集部 高野 豪)
「反省すべき点は多々ある」
信頼回復の道のり遠く
――生命保険協会会長に就任してからの約1年間を振り返ると、情報漏えいや出向者による内部情報の持ち出し、営業職員やライフプランナーによる不適切な金銭詐取などの問題が噴出しました。
業界の信頼を損なう事案が続いたことについて、業界を代表する立場として大変重く受け止めています。
会長就任に当たり、取り組みの一番の柱として「顧客本位の業務運営の徹底」、そして「生命保険業としての信頼構築」を掲げました。しかし、そのさなかにこうした事象が複数発生してしまったことに対して、業界として反省すべき点は多々あります。改めて信頼回復が重要であり、引き続き業界全体で課題に対する取り組みを継続していきます。
たかだ・ゆきのり/1988年4月住友生命保険入社。2018年4月上席執行役員。19年4月CX企画部、営業企画部、Vitality戦略部担当(企画部副担当)を経て、21年4月より現職。 Photo by Go Takano
――プルデンシャル生命保険で発覚した巨額の金銭不祥事案をはじめ「営業職員チャネル」も問題となりました。
営業職員チャネルで相次いだ一連の不祥事は、フルコミッション型の報酬体系が引き金になったとの見方がある。だが、高田氏は「報酬体系を変えれば収まるのかというと、そうではないだろう」と看破する。次ページでは、問題の本質に切り込むとともに、新たな生命保険募集人の呼称に込めた思い、そして住友生命が3年間で1兆円の投資枠を設けた狙いについて詳報する。







