Photo by Shuhei Inomata
国内最大の通信社である共同通信社の大学別採用人数のデータをダイヤモンド編集部が独自入手した。就活市場における人気低迷や、新聞発行部数や視聴率、広告収入の低下を背景にメディア業界全体で業績が厳しい傾向にある中、名門大の学生が続々と入社している現状が分かった。連載『メディア興亡』の本稿では、共同通信の大学別入社人数を明らかにし、若者はなぜメディアを目指すのかを考察する。(ダイヤモンド編集部 猪股修平)
かつての就活市場はメディア人気も、栄枯盛衰
「先見の明がない」とやゆされても目指す理由とは
「夏採用ES(エントリーシート)の結果って既にきていますか?」
7月初旬、就活情報を交換するLINEのオープンチャット上に就活生とおぼしきアカウントのやりとりが飛び交った。メンバーの人数は117人。試験対策や採用結果について確認し合う光景が広がる。
共同通信社の採用は毎年主に3度ある。1度目は12月ごろに内々定を渡す「早期選考」。夏から秋にかけて開催するインターンシップで優秀な学生に「面接練習」といった名目で声を掛ける。内々で選考を進め、メディア志望の学生を早めに獲得する狙いがある。「メディアの採用活動は年々早期化している。共同通信を目指す学生は全国紙やNHKの選考も同時並行で進めていくため、インターンシップの段階から『青田買い』をしているようだ」(全国紙記者)。
2度目は年度末前後で内々定を渡す「本選考」。早期選考と本選考を合わせて、最終的な採用人数のうち8割程度が決まる。
そして3度目は7月末~8月初旬に内々定を渡す「夏選考」。複数の関係者によると、内々定を辞退する学生の枠を補填する「穴埋め」的な側面や、年度明けに海外留学から帰国した学生向けに門戸を開く意味合いがあるという。冒頭のオープンチャットのやりとりは、夏選考の受験を控えた学生のものと思われる。
バブル期には人気企業ランキング上位に名を連ね、織田裕二主演の映画「就職戦線異状なし」(1991年)では主人公たちが目指す花形業界として描かれたメディア。現在では倍率や採用人数も小さくなり、業績不振に陥る中でメディアを目指す者は「先見の明がない」とやゆされるまでになった。
そんな中でも大手メディアである共同通信に採用される学生はどこからやって来るのか。ダイヤモンド編集部は3年分の新入社員名簿を入手。次ページでは大学別の採用人数や、実際の就活生の声から、メディアを目指す人間の実像に迫る。







