小菅:かつては、「あれ?これはどうして」「これ何?」「なぜ?」と言って子どもが親を困らせたけど、今は「何で」と聞くとパソコンがすぐ答えをくれる。
だから、1つの答えをもらってこれが正しいと思い込むような、そんな子どもが増えているんじゃないでしょうか。そこには自分が考えて身につけたことなんかないのに。
山極:今は、自分が関わっているものが何も変わらないから、変化のない人工物に対して自分を適応させるしかない。はっきり言って、それでは好奇心なんて育ちません。
仕方がないから、スマホを見て、指でパッパッと画面を変えていく。これが、人工物に囲まれた今の子どもにとって、好奇心を育てる数少ない道具の1つになっているわけですよね。
自然の中で遊ばなくなり
昆虫もお金を出して買う現代
小菅:変化する環境の中に自分を置いて、「何でこうなっているんだ」「なぜこうなるんだろう」と、いくつも仮説をつくる経験を繰り返しながら、少しずつ真理に近づいていく。
自分でいろいろな答えを想像して、その中に本当にこれが答えだと思われるものが1つでもあったときに、「やった!」「面白い」って感じる。その楽しさを省いてしまうのもまたスマホやパソコンだと思いますね。
小菅:最近は、子どもたちが遊んでいるのも見なくなりました。僕は子ども時代を札幌で過ごしましたが、たとえば円山公園では子どもたちが、いろんな場所に入り込んだり、カタツムリを捕まえたり、ぐちゃぐちゃになって遊んでいましたよ。
今やペットは、高いお金を出して買うものになっていますけど、当時は山に入ったらいろんな生き物がいて、何か捕まえては、家に持ち帰って飼ったりしていました。
僕は子どもの頃から、虫などを見て、何でこんなことをするんだろうと思いながらずっと観察していました。じっと見ていると本当に面白い動きをするし、なんでこんなことやってんのかなって疑問が次々に湧いてきます。
たとえばトノサマバッタはあまり草が密なところにいないから、逃げるときに上の方に飛んで逃げるんですね。







