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長期金利上昇に米国政府は異例の対応で介入
政府機関閉鎖回避でも財政運営に根源的問題
上昇が続いていた米長期金利(10年国債利回り)が8月19日、前日の4.70%から4.64%へと急落した。米財務省が国債の買い入れ消却(バイバック)の上限を大幅に引き上げると発表したことが引き金だ。
その後、長期金利はすぐに元の水準にもどったが、ヘッジファンド出身で市場の機微を知り尽くしたベッセント財務長官が率いた“介入”からは、トランプ政権が長期金利の上昇に神経質になっていることが明らかになった。
注目が集まるのが、米国財政の動向だ。米国では、10月からの新しい財政年度に向けて、予算審議が大詰めを迎える。去年は、議会での審議が間に合わず、長期間、政府機関が閉鎖される事態になった。
今年の場合は、様相が違う。暫定予算をいったん成立させ、年度末を乗り切る方向性が早々に固まっている。議会が7月から8月にかけて夏休みの休会期間に入る前に、下院は12月4日、上院では12月11日までの暫定予算を可決し、休会明けには、上院案を軸に審議が進められる見通しだ。
議会が政府機関閉鎖の回避で早々に動いた背景には、11月3日に投開票が行われる中間選挙をにらんだ思惑がある。その直前で政府機関が閉鎖されれば、現職の議員は有権者に責任を追及されかねない。それだけでなく、解決に時間がかかるようだと、首都ワシントンに足止めされてしまい、地元で選挙運動を行う時間が少なくなるからだ。
市場の心理を安定させるという点では、混乱の回避は悪い話ではない。だが、表向きの順調さの裏側に、財政規律の維持を危うくする変化が潜んでいることは見逃せない。
トランプ政権下では、米国の予算審議プロセスの形骸化が著しい。本来、予算の歳出や歳入は議会主導で決まるが、トランプ大統領は、関税の発動に象徴されるように、大統領権限を最大限に活用、時には“濫用”して財政運営の主導権をとってきた。
その一方で、議会側は多数派の共和党を筆頭に追随が目立ち、政権との緊張感は感じられない。
今回の政府機関閉鎖が回避されたとしても、必ずしも米国の財政運営にとって朗報とは言い切れない。市場が財政規律の毀損(きそん)を感じ取れば、さらに長期金利に上昇圧力がかかりかねない。







