世の中の「構造変化」を捉え
放置された優良割安銘柄を発掘!
――直近の運用において、成績に大きく貢献した国・地域、あるいはセクター(物流、データセンター、住宅など)があれば教えてください。
マイヤーダーク 割安な優良銘柄への投資で、大きな成果を上げた事例を3つ紹介します。
【事例1】米国の物流施設
米国南部から南西部にかけて広がる「サンベルト地域」で、物流施設を保有する銘柄への投資が大きな成果をあげました。注目した理由は、人口増加と製造業の国内回帰によって、このエリアの物流需要が増加していたためです。製造業の国内回帰というテーマ自体は広く知られていましたが、市場は物流需要を過小評価していました。私たちは独自の評価機能があったので、「需要が増大する物流施設を保有するのに、まだ価格に織り込まれていない優良銘柄」を割安に仕込むことができたのです。
【事例2】カナダの高齢者住宅
カナダの高齢者住宅にも注目しました。高齢化が進む中、新規の物件供給が限定的であることから、カナダの高齢者住宅に投資する銘柄は年率10%に近い高い利益成長が期待できると分析したためです。市場がこの好環境をまだ十分に織り込んでいなかった段階で投資したことが、その後の良好な成績につながりました。
【事例3】混乱期の英国市場への投資
英国の財政政策を巡る混乱からロンドン市場が大きく調整した際、それを大きなチャンスと捉えて主にロンドンの不動産に投資する銘柄を買いました。金融市場は混乱してもロンドンの不動産の良好な需給バランスは続いていましたし、建設コストの高騰で、既存の物件の価値は下がることがないと考えたからです。市場の混乱によって生じた「本来の価値より安く放置されるという歪み」を見逃さず、優良銘柄を買い進めた結果、市場の回復とともにパフォーマンスに貢献することができました。
――今後の世界のリート市場については、どのように見通していますか?
マイヤーダーク 世界のリート市場は現在、複数の追い風が同時に発生しつつある「転換点」にあるとみています。
まず、株式市場では、過熱感のあるグロース株からバリュー株へと資金が移り始めています。この動きが広がり、「陳腐化リスクが低い資産(HALO:流行り廃りがなく価値が落ちにくい実物資産)」であるリートにも更に資金が流入する余地があるとみています。また、建設コストの上昇や金利高止まりにより、不動産の新規開発が抑制されているため、2027年頃まで良好な需給環境が続く見通しです。
一方、インフレ再燃による金利の再上昇には警戒が必要です。ただ、近年のリートは株式との連動性が低下しています。収益源が賃料にあることや、保有不動産の価値による価格の裏付けがあることから、株式市場が不安定な局面でも、相対的に価格変動を抑えられるとみています。
また、足元の割安度も非常に魅力的です。歴史的な価格水準で比べると、世界のリート市場は株式市場に対して15%程度も割安です。今後の値上がりだけでなく下落耐性も期待できます。
――長期的な視点で、今後注目しているセクターについて教えてください。
マイヤーダーク 事例1で挙げたような割安な物流施設への注目を続けていますが、その他にも3つあります。
●ラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)の組入上位10銘柄
| 順位 | 銘柄名 | 国 | セクター | 比率 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ウェルタワー | 米国 | ヘルスケア | 9.36% |
| 2 | エクイニクス | 米国 | データセンター | 9.35% |
| 3 | プロロジス | 米国 | 物流 | 7.59% |
| 4 | サイモン・プロパティー・グループ | 米国 | 商業施設 | 4.42% |
| 5 | パブリック・ストレージ | 米国 | 貸倉庫 | 4.13% |
| 6 | アメリカン・ホームズ4レント | 米国 | 住宅 | 2.65% |
| 7 | エクイティー・レジデンシャル | 米国 | 住宅 | 2.63% |
| 8 | ゲーミング・アンド・レジャー・プロパティーズ | 米国 | カジノ・娯楽施設 | 2.57% |
| 9 | サーブラ・ヘルスケア・リート | 米国 | ヘルスケア | 2.54% |
| 10 | レックスフォード・インダストリアル・リアルティ | 米国 | 物流 | 2.29% |
セクターは物流とヘルスケアの比率が高め
※データは2026年7月31日時点。
1つめは、住宅。世界的に単身世帯の増加や、住宅ローン金利の高止まりにより、持ち家の取得ではなく賃貸を選択する動きが続いています。建設コストの上昇によって新規開発が制限され、需給が安定しているため、中長期の成長が見込めます。
2つめは、ヘルスケア。先進国全体で進む高齢化は強い追い風です。特に北米の高齢者住宅は、需要に対して供給が不足しています。今後数年にわたって、高い賃料・収益成長が期待できます。
3つめは、データセンター。特に金融取引など「わずかな通信の遅れも許されない用途」を支える都市型データセンターに注目しています。参入障壁が高く、安定した需要が見込めるからです。
目先の景気の波に左右されにくい「構造的な変化」を捉えた投資で、今後も成果を上げていきたいと考えています。
◆リート部門 海外リート最優秀賞
「ラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)」とは
アモーヴァ・アセットマネジメントが設定・運用する公募投資信託。主な投資先は「世界REITマザーファンド」。不動産本来の資産価値と経営陣の運営力から独自に「本質的価値」を算出。現在の株価が本来の価値より安く放置されている割安な優良リートを厳選し、評価に対する「確信度」に応じて投資配分を決定するのが特徴。40年超の分析経験と、ラサールグループのグローバルな不動産調査体制を背景に、市場の見落としや歪みを的確に捉える。相場急落時にも下値を堅く守る「下がりにくさ」に強み。
[2026年]受賞投資信託28本一覧
▼日本株総合部門
▼日本中小型株部門
▼米国株部門
▼世界株部門
▼新興国株部門
▼リート部門
▼フレッシャー賞
▼もっとがんばりま賞
▼(番外編)インデックス型「最安ランキング」
▼当グランプリの「選定基準」はこちら⇒https://diamond.jp/articles/-/388103
本記事は2026年9月16日時点で知りうる情報を元に作成しております。本記事、本記事に登場する情報元を利用してのいかなる損害等について出版社、取材・制作協力者は一切の責任を負いません。投資は自己責任において行ってください。







