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NISA拡充やガバナンス改革、新TOPIXの導入など日本株改革が進む中、次の一手として東京証券取引所が打ち出したのが「最低投資金額の引き下げ要請」である。1銘柄当たりの購入金額が下がれば、少額投資家が参入しやすくなり、NISA成長投資枠を活用した分散投資も格段にしやすくなるからだ。ただし、株式分割は企業価値を向上させる特効薬ではない。連載『株式相場の歩き方』の本稿では分割ラッシュの最新事情に加えて、株式分割をチャンスにする投資アイデアを紹介する。(株式コメンテーター 岡村友哉)
東証が「最低投資金額の引き下げ」を要請
NISA成長投資枠で分散投資がしやすくなる!?
7月28日、東京証券取引所は最低投資金額が50万円以上(100株単位なので株価だと5000円以上)の上場企業に対し、株式分割による最低投資金額の引き下げを再要請しました(最初の要請は2022年)。
まあ、なんといっても株価が上がりました。26年は単純平均の株価指数である日経平均株価が7万円を超えたわけですから(アベノミクスの開始時は8000円台)。
いつの間にか各企業の株価も押し上げられて、気付けば「値がさ株(株価が高い株)」が増えていることは容易に想像できます。実際、半導体関連の注目株のレーザーテックは最低投資金額が391万円、アドバンテストは同321万円です。
念のために説明しておくと、基本的に日本では株を「100株単位のセット」で売り買いするルールになっています。100株=1単元と呼び、株価の100倍の金額が「最低投資金額」になります。
では、なぜ東証が株価を5000円以下にすることを要請するのでしょうか。
最大の理由は、さらに広く株式投資を普及させたいためでしょう。政府は24年に利益や配当に税金がかからないNISA(少額投資非課税制度)を拡充しました。インフレが定着しつつあることもあり、着実に個人投資家の裾野は拡大していますが、それでもNISA口座開設率は20%台にとどまっています。
また、NISAの場合、個別株に投資をできる成長投資枠は年間240万円という制限があります。そのため、成長投資枠の中で複数銘柄を保有して日本株のポートフォリオを構築しようとすると、買える銘柄が限定されます。NISAという有利な制度で個別株に分散投資するためには、最低投資金額が安い銘柄が増える必要があるわけです。
資金が少ない投資家にとっても、最低投資金額の引き下げはメリットがあります。100万円の投資資金があった場合、1単元が100万円だと1銘柄しか買えませんが、10万円だと10銘柄に分散投資をすることが可能になるからです。
これまで「投資単位50万円未満」は上場規定の努力義務でしたが、新たな目安としては「投資単位10万円程度」に引き下げるなんて話も出ているようです。
では、最低投資金額が50万円以上の値がさ株は全体のどれくらいあるのか?東証が求める10万円未満で買える低位株(株価が安い株)はどれくらいなのか?これを、9月18日終値時点でカウントしてみました。
全上場銘柄のうち、9月18日終値時点で最低投資金額が50万円以上の銘柄は296社で、全体の8%でした。思ったより少ない感じでしょうか?
すでにかなりの銘柄が分割などで株価を買いやすくしていて、50万円未満の銘柄が全体の92%もありました。また、10万~50万円未満が58%と多いことも特徴です。仮に「投資単位10万円程度」を東証が求めるようなら、年がら年中株式分割だらけみたいな時代が来るかもしれません。
投資額の少ない投資家や初心者にとって、株式分割によって「手が届く株」が増えることはありがたいことである。だが、岡村氏は「株式分割ラッシュはハッピーではない面もある」と指摘する。なぜか。次ページでは株式分割のメリット、デメリットを冷静に分析しつつ、個人投資家が株式分割をチャンスにする方法を紹介する。








