先読み!企業業績 株式相場の歩き方#12Photo:NurPhoto/gettyimages

未来の技術と思われていた光電融合CPOが脚光を浴びつつある。本格的なAI時代に突入する中、ICTインフラの高性能化・省電力化は不可欠だからだ。「オール光ネットワーク」は高市内閣でも優先項目になっている。果たして光電融合CPOは次世代情報通信基盤のゲームチェンジャーになるのか。連載『株式相場の歩き方』の本稿では、光電融合CPOの仕組みと最新状況を解説しつつ、注目すべき6社を取り上げる。(経済ジャーナリスト 和島英樹)

省電力化、高性能化を実現する
光電融合CPOの開発が加速

 AIがビジネスや日常生活に浸透しつつある中、データセンターや半導体工場への投資が旺盛になっている。日本経済が活性化するという意味で喜ばしいことではあるが、課題の一つが増大する電力需要だ。

 特に2022年秋に「チャットGPT」が登場して以降に生成AI(人工知能)ブームとなり、データセンターの消費電力が急増している。IEA(国際エネルギー機関)は、30年の世界のデータセンターの電力使用量は24年比で約2倍の945TWh(テラワット時=1TWhは1兆ワット時に相当)に達すると試算している。

 ICT(情報通信技術)インフラの高性能化による電力需要の急増にどう対応するべきか。また、データ伝送容量を増やし、高性能化することでAI時代の国際競争を勝ち抜くにはどんな技術が必要なのか。

 直近、にわかに注目されているのが、未来の技術と思われていた光電融合CPOだ。

 光電融合とは電気信号での伝送を光信号に置き換え、省電力化と高性能化を図る技術のこと。CPO(Co‐Packaged Optics)は光電融合の技術の一つで、半導体チップ(CPU=中央演算処理装置、GPU=画像処理半導体など)と光通信用の光学コンポーネントを同一のパッケージ基板上に統合する技術のことである。

 端的に言えば、CPOを導入すると従来のシステムよりも圧倒的に省電力化できることに加えて、高性能で高効率なシステムを実現できる。

 高市内閣の戦略17分野でも、「情報通信」分野で「オール光ネットワーク」が優先項目になっている。資料によると光関連市場は30年に約53兆円と予測されており、「AI社会を支える基幹インフラであり、安全保障上も重要」としている。

 また、総務省の資料では、オール光ネットワークを「情報通信装置・デバイスに光電融合技術を活用することで、低消費電力・低遅延・大容量を実現する次世代情報通信基盤の中核技術」と位置付け、「ゲームチェンジャーになり得る」としている。

次ページでは光電融合CPOの現在地を解説。未来の技術と思われていたCPOだが、エヌビディアを筆頭に米IT大手でも導入検討を加速している。果たして日本勢は巨大な新潮流に対応して、AI時代をリードすることができるのか。大手からニッチ技術で注目の中堅企業まで、光電融合関連で注目の日本企業6社も紹介する。

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光電融合CPOのすごさとは?主役候補6社も紹介

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