「守られているから大丈夫」では納得しない
F:なるほどよく分かりました。バッテリーはEVの心臓部であり、原価の多くを占める部分ですから、もう少し踏み込んだ部分も聞かせてください。
少し意地の悪い聞き方をします。カバーが何枚あろうが、ケースが頑丈だろうが、ガツンと底を打ってしまったら壊れるものは壊れるでしょう。ラッコはクロカン車ではありませんから、ゴリゴリ林道に入ることはないでしょうが、道路には段差もあるし内輪差の読み違いで縁石に乗り上げてしまうこともある。「守られているから大丈夫です」という説明だけでは、心配している人は納得しませんよね。
東:そこはかなり厳しくやっています。中国にはEV用バッテリーの安全性を定めたGB規格※がありますから、まずそれに基づいた試験を行います。そのうえでBYD独自の試験も行っています。
底部への衝撃試験では、下から物体をぶつけて、バッテリーパックがどうなるかを確認します。BYDの社内試験はもっと厳しい条件を想定して、山型の鋭利な金属物を使って底部に衝撃を与える試験も行っています。その試験で加えている衝撃エネルギーが1000ジュールです。単に平らなものを当てるのではなく、実際に路上で鋭利なものを踏んだり、底へ突き上げるような衝撃が入った場合まで想定している訳です。
外側のケースだけを頑丈にして終わりではありません。ブレードバッテリーそのものについても、BYDでは釘刺し試験などの厳しい試験を行っています。外からの衝撃に対する車体側の防御と、セルそのものの安全性。両方で考えているのです。
※GB規格:中国の強制性国家標準。GBは「国家標準」を意味する中国語「国標」のピンイン表記「Guobiao」の頭文字を取ったもの。







