Photo:JIJI
連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは「所信表明演説」です。施政方針演説と並び、首相が国会の冒頭で行う演説です。通常国会では施政方針、臨時・特別国会では所信表明が通例ですが、例外もあります。政策の転換を示唆した歴代首相の演説を振り返りつつ、高市早苗首相の3回の演説から見える経済政策の方針の変化を読み解きます。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
所信表明と施政方針は何が違う
国会の種類だけでは決まらない
今回のキーワードは「所信表明演説」です。
高市早苗首相は10月5日、臨時国会で所信表明演説を行いました。これとよく似た首相の演説に「施政方針演説」があります。
両者とも、国会の会期の始めなどに首相が衆参両院の本会議で行う演説です。通常は、1月に召集される通常国会では施政方針演説、臨時国会や衆議院総選挙後の特別国会では所信表明演説が行われます。
ただし、この使い分けは法律で決められているわけではなく、あくまで慣例です。そのため例外もあります。
今年2月20日、高市首相が総選挙後の特別国会で行ったのは、所信表明演説ではなく施政方針演説でした。古くは1960年10月21日の臨時国会で、池田勇人首相が「国民所得倍増」に触れた演説も施政方針演説でした。
一般に、所信表明演説は当面の重要課題を中心に内閣の方針を示すもの、施政方針演説は予算審議などに際して、今後の内閣の基本的・全般的な政策方針を示すものと考えると分かりやすいでしょう。
通常国会には翌年度予算が提出されるため、首相が予算を含む政府全体の政策を説明する施政方針演説を行うのが通例です。
ところが今年は、1月23日に召集された通常国会で、高市首相が施政方針演説を行う前に衆議院を解散しました。総選挙後の2月18日に召集された特別国会で2026年度予算が審議されることになったため、2月20日に施政方針演説が行われたのです。
つまり、「通常国会なら施政方針、臨時・特別国会なら所信表明」というのが基本ですが、国会の性格や予算審議の日程によって例外もあるのです。
次ページでは、過去の所信表明演説、施政方針演説を振り返り、高市首相の今回の演説の特徴を解説します。







