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東京電力ホールディングス(HD)で2017年から続く小早川智明社長の長期政権は間もなく10年の節目を迎えようとしている。柏崎刈羽原子力発電所の運転再開という至上命令の達成に伴い、水面下で後任争いがにわかに熱を帯びてきた。長期連載『エネルギー動乱』内の特集『東電分解』の#7では、東電HD次期トップに求められる「二大条件」を整理し、有力視される本命候補の実名と対抗馬の構図を浮き彫りにする。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)
「小早川政権のミッションは原発再稼働」
次期政権に託される任務は資本提携
2026年4月、東京電力ホールディングス(HD)は柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)6号機の営業運転再開という、一つの転機を迎えた。東電HDが保有する原発の再稼働は東日本大震災後、初めてのことだった。
柏崎刈羽原発の再稼働は、福島第一原発事故後の東電HDにとって最大の経営課題であり続けていた。東電HDは原発1基の稼働による収支改善効果を年間約1000億円と見積もり、21年6月にも再稼働を計画していた。ただ、テロ対策の不備が次々と明らかになったことで原子力規制委員会が是正措置命令を出し、計画は事実上の白紙撤回を余儀なくされた経緯がある。
その柏崎刈羽原発が5年遅れでの再稼働にこぎ着け、悲願を達成したことにより社内外で一気に現実味を帯びてきたのが、17年からの長期政権となった小早川智明社長の後任人事だ。
これまで幾度となく社長交代の可能性が取り沙汰され、有力候補者が浮かんでは消えていったが、今回は状況が異なる。「小早川政権のミッションは原発再稼働。そういう意味では現政権は一つの役割を終えた」。こう話すのは東電HDのOBだ。
東電HDの次なるミッションは経営難からの立て直しを図るための資本提携以外にはない。この大役を成し遂げることができる人物こそが社長に就任するということだが、東電HDというしがらみの多い組織内では実務能力だけではトップには立てない。
次ページでは、「ポスト小早川」の座を射止めるために不可欠な「二大条件」を読み解くとともに、有力視される本命候補と、その対抗として注目される2人の実名を明らかにする。







