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電力販売の全面自由化、インフレ、データセンター計画の乱立。電力業界を取り巻く環境は年々厳しさを増している。東京電力ホールディングス(HD)が持つ三つの完全子会社はこの荒波を乗り越えるほどの優良資産といえるのか。長期連載『エネルギー動乱』内の特集『東電分解』の#6では、子会社3社の通信簿を基に東電HDの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 鈴木文也)
データセンター特需とインフレの逆風
資本提携に揺れる東電傘下3社の実態
東京電力は2016年、持ち株会社体制への移行に伴い、東京電力ホールディングス(HD)へと改組された。
その傘下に、電力販売を担う東京電力エナジーパートナー(EP)、送配電網を管理する東京電力パワーグリッド(PG)、そして中部電力との合弁会社JERAの中間持ち株会社である東京電力フュエル&パワーを設立。20年には東電HDの再生可能エネルギー事業を切り離して東京電力リニューアブルパワー(RP)に継承させ、現在の事業体制が完成した。
折半出資のJERAに将来的な新規株式公開(IPO)の観測がある中、東電HDの収益を稼ぎ出さねばならないのは実質的に残る完全子会社3社だが、その収益力は福島第一原子力発電所の事故処理費用を賄うには程遠い。
現在、再建策として東電HDと事業子会社の間に中間持ち株会社を設けるアライアンス案が浮上しているが、そもそもこれら子会社は、提携相手にとって魅力的な資産なのか。
電力業界の事業環境は年々厳しさを増している。16年の電力販売の全面自由化で既存の電力事業者の体力がそがれる中、インフレやデータセンター(DC)の建設の影響で投資負担は増している。さらに国が掲げるエネルギー戦略により原発の新増設問題も重くのしかかっている。
次ページでは、HD発足後の子会社“3兄弟”の通信簿を公開し、販売シェア急減に苦しむEP、巨額投資にあえぐPG、そして知られざるドル箱のRPという「三者三様の実像」を明らかにする。







